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大阪桐蔭にビックリ出現“189cmのスーパー1年生”「2年後のドラフト目玉」「異次元のスケール」森陽樹とは何者か? 生で見た衝撃

posted2023/11/02 11:01

 
大阪桐蔭にビックリ出現“189cmのスーパー1年生”「2年後のドラフト目玉」「異次元のスケール」森陽樹とは何者か? 生で見た衝撃<Number Web> photograph by Number Web

「2年後のドラフト目玉」大阪桐蔭の森陽樹とは何者か?(写真は大阪桐蔭の練習場/2022年冬撮影)

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柳川悠二

柳川悠二Yuji Yanagawa

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 毎秋、大阪大会と近畿大会に足を運ぶ最大の愉しみは、大阪桐蔭の新たな戦力をチェックすることだ。夏の大会までボールボーイ(パーソン)をしていたり、スタンドで声援を送っていたりするような球児が、いきなり化け物じみたピッチングを披露する。2年前の前田悠伍(10月26日のドラフトでソフトバンクが1位指名)がまさにそうだった。

衝撃の1年生…森陽樹とは何者か?

 そして、今年の近畿大会で前田級の衝撃を与えた1年生がいた。前田級とはつまり、2年後のドラフトで主役になり得る逸材ということだ。

 森陽樹――宮崎県延岡市出身の16歳である。初戦の高田商業(奈良)戦と準々決勝・報徳学園(兵庫)戦に登板し、とりわけ勝てば来春のセンバツ切符が当確となる報徳戦は4対3と1点差に迫られた8回からマウンドを任され、打者6人をパーフェクトに抑えて火消しに成功した。189cmの長身から投げ下ろすMAX151キロのボールは圧巻だ。

 負けられない試合の終盤を森に託した西谷浩一監督はこう話した。

「1年生でまだまだ荒削りですけど、スケールが大きく、素材に恵まれている。大きく大きく育てたいと思って今やっているところなので、(緊迫した場面での登板は)彼にとって良い経験になったのではないでしょうか」

「大きく育てたい」は、のちにプロに進むような選手に対して、西谷監督がよく使う表現だ。2018年に春夏連覇を達成した根尾昂(中日)や藤原恭大(ロッテ)、もちろん前田にもその言葉を使っていたが、森に対しては「大きく大きく」と口にした。それだけで期待を膨らませてしまう。

宮崎出身…高身長の本格派右腕

 森の噂が耳に入ったのは昨春だった。宮崎県出身の筆者は同郷の中学生の動向を常に気にしていて、田畑に囲まれた地を離れ、都会の名門校に越境留学するような中学生に肩入れしてきた。

 戸郷翔征(巨人)を輩出した聖心ウルスラ学園の付属中学である聡明中の森は、同野球部の1期生だった。ゼロからスタートしたチームは快進撃をみせ、森が3年生となった昨夏に県下一の中学となり、全国大会にも出場した。中学時点で187cm、最速143キロ。そのスペックからも興味をそそられた。

【次ページ】 メンバー唯一の「中学は軟式野球」

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