青山　もちろん、最初はすんなりとはね……。試合に絡めなくなっていって、ここからどうなっていくんだろう、ってモヤモヤしている自分もいましたけど、現実を見れば、試合に出ても何もできない自分もいて。途中から試合に出させてもらっても、ピッチでなんの貢献もできない。その事実のほうが自分にとっては大きかったですね。だからある意味、やっとこういう判断をしてくれたなって。安心した……っていう言葉がふさわしいかどうかは分からないけど、それが正直なところかな。チーム自体も本当にいいサッカーをやってたんで。結果も付いてきていたし、あ、俺はこういう光景が見たかったんだな、やっと来るべきときが来たんだなって。

――それこそ、17年前にミシャさん（ミハイロ・ペトロヴィッチ）が就任した頃のように、サンフレッチェ広島の新時代を感じさせるような？

青山　うん。来てほしくなかったけれど、来てくれたことがうれしいというか、やってきて良かったなって。まあ、全部喜んでるわけではないけどね（笑）。

――いつまでも自分が中心でいたいという思いと、新時代の到来に対する喜びと。その複雑な思いは、まさにサンフレ一筋で生きてきたからこそ感じられる心境というか。

J2でのスタートとなった2008年、幸先よくゼロックス スーパーカップを制したサンフレッチェ広島。主力の大半が残留し、確立した「ミシャ式」は後のJリーグ制覇につながっていく　©︎Hitoshi Mochizuki/AFLO

青山　大げさかもしれないですけど、いろんな人たちと一緒に一時代を背負わせてもらって、歴史をつながせてもらったので、間違いじゃなかったなって、ちょっと思いますね。でも、これで終わるようじゃ自分らしくないんでね。だから終わりにするつもりはないですね。

（続く）

◇中編では、後輩たちに対する期待や、名古屋に移籍した森島司への率直な想いを明かしている。