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「中学まで野球部」「身長2mなのに器用」石川祐希や高橋藍らを支える男子バレーの“大男たち”とは? 205cm山村宏太が“忖度なし”解説

posted2023/09/29 17:57

 
「中学まで野球部」「身長2mなのに器用」石川祐希や高橋藍らを支える男子バレーの“大男たち”とは? 205cm山村宏太が“忖度なし”解説<Number Web> photograph by Newspix.pl/AFLO

関田誠大、西田有志と共にネーションズリーグ表彰式でポーズを決めるミドルブロッカーの山内晶大(6番)、高橋健太郎(10番)、小野寺太志(2番)

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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Newspix.pl/AFLO

後編では引き続き、元男子バレーボール日本代表でV1サントリーサンバーズの山村宏太監督(42歳)に、チームを“縁の下の力持ち”として支える「ミドルブロッカー」をそれぞれ解説してもらった。ミドルの仕事ぶりやキャラクターを知れば、もっとバレーボールが楽しくなる?〈全2回の2回目/前編から読む〉

――では改めて、日本代表のミドルブロッカー各選手の特徴を教えてください。まずは山内晶大(29歳/204cm)選手。ミドルの中では最年長で、所属チームではキャプテンも務めています。

山村宏太(以下、山村) サイドアウトを3つ回せる選手、かつサーブでブレイク(得点)も取れる。加えて、BパスやCパス時にはブロックも期待できる総合力の高い選手です。ネーションズリーグでも山内くんのサーブで多くブレイクをとっていたのですが、彼がサーブを打つ時にはセッターの関田(誠大)くんが前衛にいるローテーション。相手からすれば高さで劣る関田くん(175cm)が前衛にいる3ローテは点数が取りやすく、日本にとっては課題でもある。そこでもブレイクがとれるサーブを打てるというのは1つの武器であり、魅力だと思います。

――中学までバスケットボール部でバレーボールを始めたのは高校から。2014年に日本代表入りして以来、最近はコートでの顔つきやパフォーマンスも変化してきたように見えます。

山村 正直に言うと、パナソニック(・パンサーズ)でキャプテンをすると聞いた時も「なぜだろう」と思ったんです。でも、責任を負うことで覚悟が生まれた。代表活動でも自信をつけたのがマッチしてプレーや行動も変化したように見えます。さらに、彼はバレーボール自体のキャリアスタートが遅い分、まだまだ“スポンジ状態”だと思うんです。そこに最後のピースである“覚悟”と“責任”と“自信”が加わって、今はようやくスポンジが硬くなり始めた状態かな、と。自分のスタイルはこう、これが武器だというものができあがって、相手にぶつかっていく闘争心も出来上がっているんだと思いますね。

“ベテランの域”に突入した時に…

――ではあえて、課題を挙げるとすれば。

山村 柔らかさ、かな。集中力が続かず、時折プレーでも素人感が残っているような動きやボールさばきがあったりする。柔軟性が加わるともっとすごい選手になると思います。

――柔らかさ、とは?

山村 たとえば、セッターからクイック(速攻)が合わせづらいトスが来た時でも、自分が打ち方を変えられたら打てるコースの幅は広がります。ミドルの選手はサイドに比べてボールに触る回数が少ないので、1つのミスに引きずられやすい。集中力が切れるきっかけは自分のミスなので、その回数をもっと減らしたい。

 また、スパイクだけでなく、ショートサーブを打たれた時にレシーブしてから攻撃に入る動作など、そこでも柔らかさが出てくるともっと違ってくる。これからベテランの域に入ってくる。柔軟なプレーができるようになったら、もっとパフォーマンスが上がると思いますね。あくまで僕の意見です。偉そうですみません(笑)。

【次ページ】 「THE欧米のミドルブロッカー」

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