森保一監督が就任してからカタールW杯の前まで、海外組の一部の選手の招集が見送られるような特別な事情があったケースを除き、背負い続けてきた「8番」に、原口は以下のような、想いを抱いていた。

「代表から外れていないから、ずっとこの番号をつけられているってことだから」

「これなら俺が入ったほうが」と思わせては…

　もちろん、その想いは堂安も感じていた。

「元気くんのために頑張るなんて、正直、できないですよ。彼には彼の人生があるので……。ただ、僕らの戦いを見て、『これなら俺が入ったほうが良かった』と思わせてしまうのは、どうしても嫌だったんです」

「1点では満足できないし、目標はもっと上。優勝を目指しているのでね」

©Kiichi Matsumoto/JMPA

　ドイツ戦後に力強く語っていた堂安は、ホテルに戻ってから、Instagramに1枚の写真を投稿した。試合後にカメラマンに囲まれている姿を、背後から撮られたものだ。その写真には、先輩から大切に引き継いだ「8」がハッキリと写っていた。