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「高校球児なぜ丸刈り?の答えが出ず…」花巻東“大谷翔平の影響”で野球がメジャー化…佐々木監督が語る「雄星や大谷を見て、考え方が変わった」

posted2023/08/18 17:11

 
「高校球児なぜ丸刈り?の答えが出ず…」花巻東“大谷翔平の影響”で野球がメジャー化…佐々木監督が語る「雄星や大谷を見て、考え方が変わった」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

身長184cm、体重113kg(今大会最重量)の佐々木麟太郎。歴代最多の高校通算140本を誇る。甲子園ではここまで3試合で打率.500

text by

氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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photograph by

Nanae Suzuki

 体が違う、パワーが違う、スイングが違う。

 4年ぶりに甲子園に帰ってきた花巻東。チームスタイルの変化にただただ驚く。

「おかげさまでメジャーリーグを見る機会が増えてきておりまして、(菊池)雄星や大谷(翔平)もそうですけど、先輩らが情報をくれますので、私自身、考え方が変わりました。私も若い頃はゴロ打てと言ってきましたけど、(メジャーは)全く考え方が違うので、振る意識を持つようにしています」

 花巻東の変化。それは指揮官の佐々木洋自身の言葉にあるメジャー化だ。

 かつての花巻東といえば、チームにカット打法を得意とする選手がいたり、右投げ左打ちの小技の効いた打者が並んだりしていた。バッターボックス内で動き、投手を揺さぶる……10年前にベスト4に進出した時は、そんな“高校野球”らしいチームだった。

 同高OBの菊池や大谷がメジャーリーグに挑戦。2021年には揃ってオールスターに選出された。彼らの活躍を見つめる一方で、伝わってくる日本の野球との違い。彼らの言葉や情報が佐々木の野球観を変えた。

「なんで丸坊主なの?に答えが出なかった」

 甲子園常連校では珍しい「髪型自由」にしているのも、佐々木自身がアメリカにわたり研修を受けたのがキッカケだ。

「異国の野球を見て、感じることがいろいろありました。丸坊主にしても、なんでそうしているのか?って言われたら、答えが出なかったんです。

 日本の野球界には今でも並んで走るとか、なんでそうしているのか説明できないものが続いていると思うんです。そうしたものを変えていこうと。5年後に10年後には丸坊主をしている学校は無くなるのではないか。そう考えて2018年の100回大会を機に髪型を自由にすることにしました」

「菊池雄星のパーソナルトレーナー」

 一方、強く振るという意識を植え付ける上で取り入れたのがトレーニングだ。2019年からは菊池のパーソナルトレーナー・清水忍氏が花巻東の指導を行っている。

【次ページ】 「菊池雄星のパーソナルトレーナー」

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