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“ダルビッシュと2年生対決” 20年前の甲子園で話題を独占した左腕は今…東北高から珠玉の17奪三振「でも、暑かったことしか記憶にない」 

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沢井史

沢井史Fumi Sawai

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photograph byAsahi Shimbun

posted2023/08/08 11:02

“ダルビッシュと2年生対決” 20年前の甲子園で話題を独占した左腕は今…東北高から珠玉の17奪三振「でも、暑かったことしか記憶にない」<Number Web> photograph by Asahi Shimbun

甲子園史上に残る“投手戦”となった2003年夏「東北vs平安」…ダルビッシュ有を上回る17奪三振を奪ったあの“背番号1”は今…

 服部は初回に東北高校1番の家弓和真に四球を与えるも、3番の大沼、4番の横田崇幸から連続三振を奪い、そこからカーブを有効に使いながら面白いように三振を重ねていった。4回には3番からの中軸を3者連続三振に斬ってみせた。

「(捕手の)原さんが自分のショーバンのボールを身体で止めてくれて、それを東北の打者がブンブン振ってくれました。自分は変化球を多く持っていた訳ではないので、縦とか横とか微妙に変化させて、インコースもうまく使えたと思います」

 5回を終え、服部の奪三振は11個。だが、ダルビッシュも負けじと腕を振る。3回以降はギアを上げ、140キロ台後半のストレートとキレのあるスライダーも織り交ぜて平安の各打者を幻惑した。

 互いにピンチらしいピンチを背負うことなく、試合は終盤へ。歴史を振り返っても稀に見る投手戦は9回が終わっても決着がつかず0-0のまま延長戦にもつれこんだ。

(つづく)

◆#2後編では、ダルビッシュとの対戦を終えた後の「苦悩」について赤裸々に明かしています。

#2に続く
“ダルビッシュと互角に投げ合った”という看板が……甲子園史上に残る投手戦を演じたサウスポーの苦悩「主将になって血尿」「3年夏は中継ゲスト」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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