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「ヌートバーを見るまで“1番・大谷翔平”派でした」谷繁元信が語るWBCならではの“打順論”とは?「栗山監督は村上を4番に戻すかも」 

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谷繁元信

谷繁元信Motonobu Tanishige

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photograph byNaoya Sanuki

posted2023/03/09 11:01

「ヌートバーを見るまで“1番・大谷翔平”派でした」谷繁元信が語るWBCならではの“打順論”とは?「栗山監督は村上を4番に戻すかも」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

3月6日、阪神との強化試合でホームランを放った大谷翔平を祝福するヌートバー。谷繁元信氏は「1番・ヌートバーの目処が立ったのは大きい」と語る

谷繁元信が予想するスタメンは…

「誰が4番を打つのか」というテーマは、現状「大谷翔平の次の打者は誰か」という話でもあります。「大谷は歩かされる可能性が高いので、後ろの打者に重圧がかかるのでは」といった分析も見かけますが、おそらく当事者はそこまで意識していないし、あまり重要なポイントでもないのでは。村上にしても、大谷うんぬんではなく、自分の状態をどう上げていくかにフォーカスしているでしょうね。

 上位打線に左打者が並んでいることを危惧する声もありますが、僕はまったく問題ないと見ています。左打者といっても、誰も左投手を苦にしていませんからね。もちろん鈴木誠也の欠場は痛い。ただ無理に「ジグザグ打線」を組もうとする必要はないと思います。

 個人的に嬉しい発見だったのがヌートバーです。実際のプレーを見たことがなかったので未知数でしたが、阪神戦、オリックス戦を見て「1番でいけそうだな」という目処が立ちました。もともと僕は「大谷1番派」だったんですよ。1番・大谷翔平で相手を威圧すれば、初回からゲームを優位に進めていけるのでは、と。でも、ヌートバーは思っていた以上に打撃力がありそうですし、選球眼も優れている。6日の初打席でヒットを打ってベンチが沸いていたのを目にして、いいムードメーカーになるだろうなと感じました。

 ヌートバー、近藤健介、大谷翔平、吉田正尚という上位打線は、たしかにとてもつながりがいい。ただ、もし自分が監督だったら、そもそも「4番・村上」を動かしていないと思います。「野球観の違い」と言ってしまえばそれまでですが、自分にはない発想という意味で、栗山監督の采配は勉強になる部分も多いですね。

 野手に関しては7日のオリックス戦のスタメンがベースになるでしょう。論点は村上を4番に戻すのか否かと、セカンドは山田か、牧かというところ。正直、牧もオリックス戦の内容はよくなかった(5打数無安打)。これまでの実績や経験、守備も考えると山田が起用される可能性もかなりありそうだな、と。

 ちなみに僕が阪神戦前までに考えていたオーダーは、1番・大谷、2番・ヌートバー、3番・近藤、4番・村上、5番・岡本和真、6番・吉田、7番・牧、8番にキャッチャーの誰か、9番・源田壮亮……といった感じです。ただ、これは選手の状態、相手投手の質、その時々のシチュエーションで大きく変わるもの。固定観念を持たずに「今、この瞬間のベスト」で戦うのが、短期決戦・国際大会のセオリーだと思います。

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