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「サッカー興味なかったのに本田さんの解説で…」にわかファン激増の“ケイスケホンダ語録”を最終検証…PK敗戦「74秒後の言葉」に震えた 

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岡野誠

岡野誠Makoto Okano

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photograph byGetty Images

posted2022/12/07 17:02

「サッカー興味なかったのに本田さんの解説で…」にわかファン激増の“ケイスケホンダ語録”を最終検証…PK敗戦「74秒後の言葉」に震えた<Number Web> photograph by Getty Images

SNS上でも「サッカー興味なかったのに本田さんの解説で……」という声が多く挙がった。その解説の核心に迫る(写真は2020年撮影)

<名言6>
「これね、ショート(コーナー)やったらいい。(クロアチアの)立ち位置見ても、多分対応できないです。やってみ?」(前半42分)

 味方の“弱点”と敵の“穴”に気づくことは本質的に同じである。クロアチア戦の前半42分、日本はコーナーキックのチャンスを得る。本田は相手の守備陣形に“穴”を感じ、こう提案した。すると、まるでその言葉を聞いたかのように、日本はショートコーナーを選択し、堂安律がセンタリング。吉田麻也が競り勝ち、前田大然が詰めて先制ゴールを奪った。本田はピッチ上にある穴を素早く察知し、言葉にする能力があまりに高い。

実況にも伝染した“本田表現”

<番外編>
「麻也はちょっと……吉田麻也は」(寺川俊平アナ/前半39分)

 本田の自分を貫く姿勢が他人の言葉遣いを無意識に変えた場面もあった。

 今大会、本田は主に面識のない後輩選手を「さん付け」、一緒にプレーした交流の深い選手は下の名前で呼んだ。当初、この方式は違和感を持たれていた。しかし、その姿勢を貫くと、周囲が引っ張られ始めたのだ。

 一緒に放送をしていた寺川アナはクロアチア戦で一瞬、「麻也」と呼んでしまい、すぐに言い直した。コスタリカ戦の後半49分にも「航……遠藤航」と思わず口にしていた。ピッチ解説の槙野智章も本田に影響を受けていた。終始「~~選手」と言っていたが、スペイン戦の後半13分に「三笘さん」と発している。この直前に途中出場の「フェラン・トーレスがルイス・エンリケ監督の娘と付き合っている」という情報を流し、本田に「冗談やめてもらっていいかな」と注意されていた。心の動揺が、三笘の呼び方に作用したのだろうか。

「うざい=素晴らしい」裏の意味を考えよ

<名言7>
「うわ、コイツめっちゃうざいわ」(前半35分/クロアチアのグヴァルディオルがドリブルで上がった場面)

 本田の解説が話題を呼ぶにつれ、言葉遣いへの批判も上がるようになった。視聴者が増えれば増えるほど意見は多様になり、否定的な人も現れてくる。

 だが、リアルな物言いだからこそ、高い評判を呼んだと思われる。

 おそらく、本田はピッチで相手選手について「コイツうざいぞ」「4番が穴や!」などとチームメイトに伝えていたのだろう。解説者として、日本代表のユニフォームを着ている時と同じような言葉を発した。その臨場感が視聴者を惹きつけたのではないか。

【次ページ】 「そうか、本田さんもいちファンだったんだ」

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