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「絶滅危惧種」牧田和久のアンダースローは美しい…速球は130km台でも抑えられる“日本のサブマリン”の系譜とは《戦力外通告》 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2021/12/28 21:00

「絶滅危惧種」牧田和久のアンダースローは美しい…速球は130km台でも抑えられる“日本のサブマリン”の系譜とは《戦力外通告》<Number Web> photograph by AFLO

WBCなど国際試合でも活躍した牧田。楽天から戦力外通告を受けたが、現役続行を希望している

日本球界で期待のサブマリンは誰?

 1988年秋、私は西宮球場の内野席で試合を見ていた。この球場の外野にはラッキーゾーンがあって、フェンスの内側はブルペンになっていた。試合が始まってからこのブルペンで、山田久志がゆっくりと投球練習を始めた。

 100m以上離れた場所からも、山田の美しいフォームはくっきりと見て取れた。私は何か大切なものを見た気がしたが、山田はこの年限りで引退し、阪急ブレーブスも終焉を迎えたのだ。

 美しい日本のサブマリンは、日本の野球文化の象徴のような気がする。

 日本のサブマリン投手は、フォームの美しさにこだわっている。抑えればいいではなくて、自分の理想のフォームで投げたい、と思っているように感じる。

 牧田和久が、MLBに移籍したため、NPBのめぼしいサブマリンはヤクルトの山中浩史くらいになった。阪神の青柳晃洋はリリースポイントがちょっと高い。

 フォームでいえば昨年のソフトバンクのドラフト2位、高橋礼のサブマリンが美しい。188cmの長身だけに沈み込んだ時の落差があるし、フォームもきれいだ。

 日本のサブマリンは、途切れる途切れると言われながら何とか続いてきた。どの時代でもごく少数だが、きれいなフォームのアンダースローが出てきたのだ。

 牧田和久が移籍しても、日本の「美しいサブマリン」は継承されていくのではないか。

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