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「空の彼方に最後の軌跡!コントレイル!」が話題に…フジテレビ倉田大誠アナに聞く“競馬と春高バレーの実況はここが難しい” 

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鼠入昌史

鼠入昌史Masashi Soiri

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photograph byYuki Suenaga

posted2021/12/02 11:07

「空の彼方に最後の軌跡!コントレイル!」が話題に…フジテレビ倉田大誠アナに聞く“競馬と春高バレーの実況はここが難しい”<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

「13歳、真夏の大冒険」が流行語になったフジテレビ倉田大誠アナウンサー。競馬や春高バレーなどの実況を務める

倉田 ちゃんと休みはありますよ(笑)。ただ、資料づくりはやっていると際限なくなるので、うまく器用にやるのも大事ですよね。実況は言葉を紡ぎ出す作業なので、ときには本を読むことも必要だし映画を見ることも必要だし。外の空気を吸うことも必要というか、五感で何かを感じて、その場の空気を言葉にする。だから言葉の蓄積がないと出てこないんですよね。

――お話を聞いていると、なかなか孤独な仕事なのかなと感じます。ひとりで取材に行って資料をまとめて、最後の実況も自分ひとり。

倉田 孤独ですね。最近はBSやCSなどで見たい人が見るコンテンツになってきており、更に専門性が問われています。実況は顔も出ないし、視聴者はスポーツそのものを見ているから声もなかなか認知されないかも知れませんが、それぞれが強いこだわりをもって向き合っている仕事だと思います。

――今日話していただいて、実況アナウンサーは職人=プロフェッショナル、という印象を抱きました。見えないけれど我々は実況アナの言葉を頼りにテレビ観戦しているわけですし。

倉田 だからこそ、杉本清さん(元関西テレビ)とか三宅正治さん(フジテレビ)とか、スゴいなって思いますよね。杉本さんが喋っているから“この競馬レースに価値が出る”。三宅さんが喋っているから“このK-1の試合に価値が出る”。あそこまで行けば、視聴者に認められたということだと思うんです。ただ、みんなそこに行こうとして行っているわけではないのも確かでしょうし。

 スポーツ実況は、奥が深く正解がない。それでも、アスリートの思いを伝え、視聴者に分かりやすく伝える実況を模索し続けるものだと思っています。<前編から続く>

倉田大誠(くらた・たいせい)

1982年3月4日、長野市生まれ。日大芸術学部放送学科を卒業後、04年フジテレビ入社。「めざましテレビ」「FNNスーパーニュース」「笑っていいとも!」などを経て、14年「めざましテレビアクア」、19年「直撃LIVE グッディ!」のメインキャスター。現在は「めざまし8」情報キャスター、「みんなのKEIBA」や春高バレーなど、各種スポーツの実況などで活躍中。
 

『ジャパネット杯 春高バレー』フジテレビ系列全国ネット(2022年)…男女準決勝 1月8日(土)16時~17時30分/男子決勝 1月9日(日)13時30分~14時55分/女子決勝 1月9日(日)16時~17時40分

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《流行語のウラ側》『真夏の大冒険』フジテレビ倉田大誠アナ39歳が明かす「じつは『13歳の冒険がはじまります』と言う予定でした」

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