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佐藤輝明が「復調する可能性は十分にある」 藪恵壹が語る“阪神逆転優勝の条件”《セ・リーグ優勝争い大詰め》 

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藪恵壹

藪恵壹Keiichi Yabu

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posted2021/09/30 17:07

佐藤輝明が「復調する可能性は十分にある」 藪恵壹が語る“阪神逆転優勝の条件”《セ・リーグ優勝争い大詰め》<Number Web> photograph by KYODO

残り試合数は「21」。阪神が優勝するためのポイントを藪恵壹が語った

優勝ラインは「78勝」。カギは“三本柱”の復調と……

 1つめが、10月5日からの関東遠征に照準を合わせること。そこで阪神は、5日からDeNAと、8日からヤクルトと、12日から巨人とそれぞれ3連戦を迎えます。まず、下位のDeNA戦は一戦も落とせません。願わくば3連勝、最低でも2勝1分でいきたいところ。そこで勢いに乗って、ヤクルトと巨人に勝ち越したいですね。

 ヤクルトが残り試合を5割の勝率でいった場合、阪神が優勝するには「78勝」がひとつの目安になると思います。そのためには13勝8敗でまとめる必要がある。そうなると“三本柱”青柳晃洋、西勇輝、秋山拓巳が投げる試合は落とせません。

 青柳と秋山のコンディションは悪くないと見ていますが、少し心配なのは西です。9月24日の巨人戦は5失点を喫してKO。9月30日の広島戦は、それ以来の登板となります。彼の修正力に期待したいですね。

 あとこれは個人的な願望ですが、1イニング専門のリリーフでもいいので、藤浪晋太郎をシーズン最終盤で一軍に上げてほしい。守護神(ロベルト・)スアレスの前に、もうひとり160キロを投げられる投手がいるのは、相手チームにとって嫌だと思いますよ。それに彼は開幕投手ですから。一軍にいるだけで阪神に勢いをつけられる唯一無二の存在だと思うんです。

ひとつのミスが「V逸」につながる

 そしてポイントの2つめが、シーズン終盤こそ、基本に忠実になって、ミスをなくす意識をチーム全体で共有すること。9月28日の試合で、バントを処理した秋山が二塁に悪送球するシーンがありました。あのようなミスは命取りになります。バント処理ならしっかりボールの正面に入る。捕ったあとに、体をターンしてボールを投げる。ほかにも、クイック、牽制、カバーリング……と、投手が投げる以外の“仕事”を軽視すると、足をすくわれます。

 泣いても笑ってもあと21試合。考え方によっては、この時期に優勝戦線に残って戦えるというのは、首脳陣にとっても、選手にとっても幸せなことだと思います。もちろんプレッシャーを感じると思いますが、最後はそのプレッシャーをとことん楽しんでほしいですね。ここから首位ヤクルト、3位巨人とどんなデッドヒートを繰り広げてくれるのか、楽しみですね。

(構成/田中仰)

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