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プレミアの“ビッグ6”はもはや死語に? トッテナムとアーセナルが堕ち、光るレスターの堅調 

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粕谷秀樹

粕谷秀樹Hideki Kasuya

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posted2021/06/07 11:01

プレミアの“ビッグ6”はもはや死語に? トッテナムとアーセナルが堕ち、光るレスターの堅調<Number Web> photograph by Getty Images

タイトルから遠ざかるトッテナム。ケインも今季限りでチームを離れることに

クラブの規模ではトッテナム、アーセナルに劣るも……

 残念ながら、レスターは今シーズンもチャンピオンズリーグの出場権に手が届かなかった。昨シーズンに続いて主力DFが終盤に負傷で倒れた。この悔しさを、どこにぶつければいいのだろうか。

 しかし、4位以内に位置していたのはリーグ最多の242日。優勝したシティの130日を112日も上回り、2位となったユナイテッドの155日を87日もしのいでいる。レスターの堅調を示す素晴らしいデータだ。

 また、ティモチー・カスターニュ、ウェスレイ・フォファナ、デニス・プラ―トなど、近ごろの補強は当たりが多い。クラブの規模ではトッテナム、アーセナルに劣っているものの、チーム創りに関してははるか前方を走っているといっていいだろう。

 レスターは特定のエージェントに依存していないし、アイヤワット・スリバッダナプラバ会長が現場に介入しない。補強はブレンダン・ロジャーズ、リクルート担当のカラム・スミッソン、ジョゼ・フォンテスが軸となり、適材適所のテコ入れを図っている。

 優勝した2014-15シーズン以降、エンゴロ・カンテとベン・チルウェルをチェルシーに、ハリー・マグワイアをユナイテッドに、さらにリヤド・マフレズをシティに引き抜かれはしたが、前述した即戦力の獲得で大崩れしないのがレスターの強みだ。

 試合内容に落差がなく、3バックと4バックを巧みに使いこなすレスターに対し、ノースロンドンの2チームはいいときと悪いときの差がハッキリしすぎていた。だからこそロジャーズのチームは最終節までトップ4争いを演じた。トッテナムとアーセナルは終盤戦を待たずに息切れした、といって差し支えない。

 2020-21シーズン、レスターはFAカップ決勝でチェルシーを破り、クラブの歴史に彩りを添えた。トッテナムとアーセナルは無冠に終わった。

 プレミアリーグの勢力分布図が、塗り替えられようとしている。

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