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嵐、嵐、嵐、マッチ、嵐……ジャニーズだらけのスポーツ紙はナゾだらけの“推理小説”だった

posted2020/12/02 17:01

 
嵐、嵐、嵐、マッチ、嵐……ジャニーズだらけのスポーツ紙はナゾだらけの“推理小説”だった<Number Web> photograph by BUNGEISHUNJU

各スポーツ紙が「嵐」一面で染まった11月4日(スポーツ報知、デイリースポーツ、サンスポ、スポニチ、東京中日スポーツ、ニッカン)

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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BUNGEISHUNJU

 プロ野球日本シリーズ、大相撲、競馬のジャパンカップとスポーツ的には盛りだくさんの11月だったのですが、当コラムは「月刊スポーツ新聞時評」ですので、”今月のスポーツ新聞を読んで気づいたこと”を書こうと思います。

 それは「情報戦の楽しみ方」です。今月は芸能面にも読みどころが多かった。

嵐の「スポーツ紙完全ジャック」がスゴかった

 まず度肝を抜かれたのは11月4日の各紙だった。ドカーンと全面に「嵐」!

 国立競技場でライブをおこなった「嵐」が登場。単なる一面ではない。スポーツ紙が「嵐」に包まれている感じなのです。

《いや、驚いた。3日、無観客で収録した国立競技場ライブ「アラフェス 2020」を配信したアイドルグループ、嵐。4日付のスポーツ紙6紙すべてが、いわゆる“ラッピング”といわれる抜き取り紙面構成で、単独公演としては見納めとなる可能性の高いこのライブを詳報したのだ。》(『嵐 6紙「独占」』夕刊フジ11月4日発行)

 スポーツ紙全6紙を完全ジャック。

『嵐 ありがとう』(サンスポ)

『史上最大の嵐 圧倒的演出!!風船5万個 花火2500発 噴水など250トン』(スポニチ)

 嵐の面をそのまま指でつまんで抜き取れば即保存版となる仕様。で、抜き取ったあとはいつものスポーツ紙が出てくる感じ。壮観だった。

 この数日後に私はスポーツ紙に勤める方とBARで偶然隣り合わせになったのだが、初対面の挨拶の後、しばらくして話はこの「嵐」紙面に。

 なんでああいう紙面になったかというと「とにかく売れるから」だという。シンプルな理由だった。あの一面報道は足並みを揃えたわけでなく、「ウチも」「ウチも」という流れになったらしい。実際、ふだんスポーツ紙を買わないような若い女性から問い合わせの電話も多くあったという。

 たしかにファンの立場からすれば「紙」を買って保存するだろう。スポーツ紙からすればビジネスチャンス。そういえば最近は「週刊朝日」とか「サンデー毎日」といった新聞社系の週刊誌によくジャニーズのタレントが登場していることを思い出した。購読層と合うのかと一瞬思うがファンが表紙目当てで「紙」の週刊誌をわざわざ買ってくれそうなことを考えると1つの戦略なのだ。

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