ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
「他のベテラン選手はどうしている？」オシムが日本でずっと気になっていた“あの選手”とは
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byTakuya Sugiyama
posted2020/11/12 17:03
11月1日に電話でのインタビューに答えたイビチャ・オシム（撮影別日）
――スーザン・ソンタグですか。それは面白そうですね。
オシム 今日がいい祭りになるように。それから電話をありがとう。試合のことも少し話したいならば、終わった後でまた話すことにしよう。批判することになるかも知れないが。
――まったく構わないです。ぜひお願いします
オシム まあいつものことだ。ナイフを突きつけるのもときに悪くはない（笑）。
オシムが語る、サッカーとコロナと人生
――それであなたは元気なのですか？
オシム 君には元気だと言うが、他の人々にはそうは言っていない。元気というのはちょっと言い過ぎだ。いろいろなところが悪くて、とりわけ膝と肩が酷い。ときどき頭痛もある。ただ、サッカーを忘れないために、ときどきボールを使ってリフティングをしている。やっているのはそれぐらいで、忘れたくはないからな。テレビで試合を見るのもそうだ。今はいい試合がたくさんあり、すべてのリーグが始まってとても面白くなっている。スタジアムに人がいないのはちょっとおかしな感じだが。
ジェフの選手たちに会ったらよろしく伝えてくれ。彼らにプレーを忘れるなと（笑）。彼らは多くを学んだから、今はそれを容易に実践する術を心得ているハズだ。それを少しはうまく活用していることだろう。サッカーの技量、プレーの技量を存分に活用して楽しめればそれでいい。
――大事なことですね。
オシム その通りで、サッカーとは素晴らしいプレーであるからだ。気の置けない仲間たちと毎日プレーをして、楽しく飲み食いする。それが人生というものだ。日本には素晴らしいビールはあるが、ワインがそこまでではないのが残念だ。だが、世界中のワインが揃っているのだから問題はない。
そちらは天気はどうなんだ？
――今日は晴れましたし昨日も良かったです。ちょっと前は雨が多く台風も来ましたが今はいいです。
オシム サッカー日和でもあるわけだ。暑くもなく適度に涼しい。走りやすいしサッカーにはいい季節だ。ピッチもいい状態を保てる。ピッチが良ければプレーもしやすく素晴らしいプレーが見られる。日本人選手もいいプレーをたくさんする。
