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中村剛也&栗山巧の仕事ぶりを見よ。
西武を牽引する“骨と牙”の19年目。 

text by

市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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photograph byHideki Sugiyama

posted2020/07/09 11:50

中村剛也&栗山巧の仕事ぶりを見よ。西武を牽引する“骨と牙”の19年目。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

2001年のドラフト同期入団で同じ年のベテラン、中村(左)と栗山は円熟味のあるプレーでチームを支えている。

3年連続Bクラスを知るからこそ。

 こうしてプロ19年目の2人は、実績だけではなく、真の実力で2020年の開幕スターティングメンバーの座を勝ち取った。

「相変わらず、野球について話をするのはおかわりです。打撃論はたくさんします。当然、打者としてのタイプは違いますが、あいつはあいつで理論があります。ヒント? それはあまり得られないんですけど(笑)。でも、自分の理論とか、おかわりの理論とか、そういう個人の話ではなくて、打撃というくくりの中で『いいスイングとは?』という話をしますね」(栗山)

 お互いがお互いの個性を認めつつ、切磋琢磨してきた。

 コロナ禍での開幕から約3週間、ライオンズは7月7日現在、7勝8敗1分けでリーグ3位につけている。ただし、その勝敗数以上に、昨シーズンまでのようにはつながらない打線と、大事な場面で痛い失点を重ねる投手陣など、もどかしい試合展開が気になるところだ。

 そんな今だからこそ、改めて注目したいのは中村と栗山の両名が、'14年から3シーズン続いたBクラスの時代を、チームの主力として経験していることである。3シーズン続けて4位以下で低迷したのは、1981年以来、実に33年ぶりのことだった。苦しい時期に、ともにチームをけん引していた2人だからこそ、自身に起こったアクシデントや、逆境を、黙々と練習を積み重ね、結果を出し続けることではねのけてきたのかもしれない。

 無観客試合、同カード6連戦など、通常であれば経験することのない異例のシーズン。地道に自分の仕事を果たし、その背中を見せようとするベテラン2人の姿から、周囲の選手たちに浮上のきっかけを見つけてもらいたい。

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