「そうやって国全体が進歩していくんだ」

――数年後には、東南アジアのサッカーは様相を完全に変える……というわけですね。

「素晴らしいパフォーマンスを実現した日に、それは大きく変わるだろう。つまり東南アジア諸国から、ワールドカップや五輪に出場する国が現れ、アジアカップの準決勝に進む国が出てくるときだ。

　大きな躍進、改革を成し遂げたと感じられるのは、素晴らしいパフォーマンスを実現したときだ。そして東南アジア諸国にとってそれはワールドカップ出場であり、アジアカップのベスト4や五輪本大会への出場だ。

　タイやベトナム、マレーシアがワールドカップ・アジア最終予選に進むのはその第一歩だ。この地域のサッカー文化向上のためにも、必要な一歩でもある。どこか一国でも最終予選に進むだけで大きな前進になる。アジアの大国が最終予選で東南アジアを訪れるからだ。日本や韓国、オーストラリアの試合を地元で見ることができる。

　そういう試合は、子供たちやメディアへの啓蒙、国全体を啓蒙するという点で非常に重要で、またとない機会でもある。

　そうやって国全体が進歩していくんだ。それは、ピッチの上だけに限らない。すべてが、国全体でひとつになって進歩する。メディアやサッカーの考え方、ファンやサポーター……。大きなディメンション、大きなエモーションが進歩には必要だ。それがないと東南アジアは現在の状況から抜け出せないことになってしまう」

――よくわかりました。メルシー、フィリップ。