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ナントに復帰したハリルホジッチ。
恩師が振り返る“問題児”との日々。

posted2018/10/24 17:30

 
ナントに復帰したハリルホジッチ。恩師が振り返る“問題児”との日々。<Number Web> photograph by Getty Images

衝撃的な電撃解任から数カ月後、ハリルホジッチは再びテクニカルエリアで熱き血潮をたぎらせている。

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占部哲也(東京中日スポーツ)

占部哲也(東京中日スポーツ)Tetsuya Urabe

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 ヴァイッド・ハリルホジッチが、古巣・ナントに指揮官として帰還した。

 32年前、元日本代表指揮官は、監督ではなく誇り高き「王」、ストライカーとしてナントの前線に君臨した。

 1982-83シーズンにフランスリーグを制覇、27ゴールを決めて得点王にも輝いた。甘美なる記憶が残った土地。しかし、栄光の前年となる移籍1年目の1981-82シーズンは7得点に終わり、プライドは深く傷つけられた。

 辛抱強く、復活の道を用意したのが、フランスリーグ2度の優勝を誇るジャンクロード・スオードさんだ。ディディエ・デシャンが10代だった頃に才能を見いだし、1994-95シーズンにはクロード・マケレレ、クリスティアン・カランブーを育て、わずか1敗でリーグ優勝を飾った。

 ハリル“新”監督が「影響を受けた」という名将がいなければ、32年ぶりのナント復帰はなかったかもしれない。

初練習でチームメートに……。

 まだ肌寒かった今年3月。79歳のスオードさんは、大西洋を望むフランス・ヴァンヌにいた。正直に言うと、ロシアW杯に向けて日本代表監督の恩師を取材しようと足を運んだ。しかし、4月7日に電撃解任というまさかの展開で、お蔵入りに。

 ところがこのたび、ナントの監督への復帰で、当時の取材を記事にする機会を頂けることになった。

 それは、さておき。監督ではない、記者の知らない“プレーヤー”ハリルホジッチとは――。その答えを聞こうとすると、スオードさんは、「これだけは伝えてくれ」と、いたずらっぽく笑った。

「今でも鮮明に覚えているよ。初練習の時だった。『お前ら、目玉はついているのか! 俺の動きが見えているのか!』って、チームメイトに叫んだんだ。チームメイトも困惑していたよ」

【次ページ】 ハリルは戦力外寸前だったが。

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