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ドイツのレーブ政権がついに終焉?
後任にはジダン、クローゼの名も。 

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遠藤孝輔

遠藤孝輔Kosuke Endo

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posted2018/10/20 08:00

ドイツのレーブ政権がついに終焉?後任にはジダン、クローゼの名も。<Number Web> photograph by Uniphoto press

ブラジルW杯優勝から4年、ロシアでの完敗を経ても指揮を執るレーブ監督。果たしてドイツの今後の行方は?

ミュラーが決定力を欠いては。

 フンメルス、ボアテンク、ノイアー以上にパフォーマンスの質を下げているのはトーマス・ミュラーだろう。自身3度目のW杯で初めてノーゴールに終わった29歳は、最大の持ち味である勝負強さ、決定力を欠いている。

 決定機をモノにできなかったオランダ戦では最初に交代を告げられ、フランス戦では2分しか出番を得られなかった。'18年の代表戦で決めたゴールはわずかに1つ。スペイン戦で突き刺したスーパーミドルだけだ。

 W杯優勝組の衰え以外にも、看過できない問題は存在する。優秀なストライカー不足だ。ミロスラフ・クローゼ、いや、マリオ・ゴメス級の点取り屋さえ育っておらず、相手ゴール付近までうまく攻め込めても、最後の一押しが足りない状況が続いている。

 ただし、ゴールが少ないのはストライカー不足だけが問題ではない。サネやユリアン・ドラクスラー、ユリアン・ブラントら2列目を主戦場とする選手が、いずれもシュート精度に改善の余地を残しているのだ。彼らにスピードや技術では見劣りしても、左足のフィニッシュは極上だったルーカス・ポドルスキのような飛び道具を備えた選手がいないのは痛い。

レーブの後継候補は……15人。

 指揮官に話を戻せば、レーブの後釜に誰が収まるかという問題もある。ミュンヘンの日刊紙『tz』はフランス戦の直前、後継者候補に関する記事を掲載した。

 彼らがピックアップしたのは前バイエルン監督のユップ・ハインケスや前レアル・マドリー監督のジネディーヌ・ジダンら超大物から、いわば過去の人であるルイス・ファン・ハールやフェリックス・マガト、そして実績に乏しいペテル・ボシュ(元ドルトムント)やハネス・ボルフ(前シュツットガルト)まで15人以上。要は、有力候補がいないわけだ。

 ドイツ国民が最も支持するユルゲン・クロップは、リバプールと2021年夏まで契約を残している。レッズと相思相愛の関係を築くこの51歳の引き抜きは、不可能に近いだろう。しばしば未来の代表監督候補として名が挙がるユリアン・ナーゲルスマンは、来季からの契約でRBライプツィヒの新監督に就任。ハインケスは監督業から退いており、ジダンはドイツ語が話せない。

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