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ドイツのレーブ政権がついに終焉?
後任にはジダン、クローゼの名も。 

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遠藤孝輔

遠藤孝輔Kosuke Endo

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posted2018/10/20 08:00

ドイツのレーブ政権がついに終焉?後任にはジダン、クローゼの名も。<Number Web> photograph by Uniphoto press

ブラジルW杯優勝から4年、ロシアでの完敗を経ても指揮を執るレーブ監督。果たしてドイツの今後の行方は?

W杯優勝メンバーの衰え。

 たしかに、メンバーはロシアW杯当時より若返った。レーブが手応えを口にしたフランス戦の前半に躍動したのは、22歳のティモ・ベルナー、W杯には不参加の22歳レロイ・サネ、23歳セルジュ・ニャブリが組む3トップで、今年9月に初キャップを刻んだニコ・シュルツ(25歳)とティロ・ケーラー(22歳)の両ウイングバックも主に守備面で良い働きを見せていた。

 リベロを務めたニクラス・ズーレと中盤センターで攻守の舵取り役を担ったヨシュア・キミッヒ(どちらも23歳)も悪い印象を残したわけではない。こうした若手逸材の成長は頼もしいかぎりで、彼らが新たな時代を築いていくのだろう。

 一方で、見逃せないのは'14年W杯を制覇した功労者たちの衰えだ。マッツ・フンメルスとジェローム・ボアテンクの両CBは、敵のカウンターを個の力で食い止めていた全盛期の凄みを失った。相手アタッカー陣のスピードについていけなかったオランダ戦後、ともに批判を浴びている。

 リベロが背後をカバーしてくれる3バックならともかく、この2人だけでCBを形成するのはもはやリスキーに過ぎるだろう。サネにスピード勝負で見劣りしなかった、フランスのラファエル・バランのような俊足CBの台頭が待たれる。

ノイアーとテア・シュテゲン。

 アンタッチャブルな存在と目されていたGKマヌエル・ノイアーも例外ではない。オランダ戦の1失点目でCKに対して中途半端な飛び出しを見せた主将は、フランス戦でも気がかりなプレーが見られた。

 例えば、DFラインの裏に抜け出たキリアン・ムバッペのシュートを足で防いだシーンだ。止めたから良しとすべきだが、飛び出しの判断とスピードが明らかに遅れていた。付け加えるなら、いわば日常茶飯事だった超人的なセービングを披露する頻度も減っている。

 このまま本調子を取り戻さずに正GKに収まり続けるようなら、2番手のマルク・アンドレ・テア・シュテゲンが不満分子になりかねない。

【次ページ】 ミュラーが決定力を欠いては。

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