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慶大ラグビー部主将、初の医学生。
古田京が実践する究極の文武両道。
posted2018/04/05 07:30
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph by
Masataka Tara
1899年に創部した日本最古のラグビー部、慶應義塾大学蹴球部(ラグビー部)の新主将は医学生だ。
関東大学ラグビー対抗戦の慶大は、2018年2月、医学部4年の古田京(ふるた・きょう)を新主将とする新体制を発表した。医学部生の主将就任は創部119年で初となる。
慶大医学部は医療系の私学最難関として知られ、一般入試の偏差値は70を超えている。新主将の古田は慶應義塾高(神奈川)からの内部進学だが、こちらの道も険しい。
1学年約700人(18クラス)のうち、医学部の推薦枠を得ることができるのは例年22名。彼らは評定平均が10段階で「9」に迫る、もしくは上回るような成績優秀者で、その割合は全体の約3%。難関校の慶應高にあって、1クラス(約40人)に2人いるかどうか、という狭き門だ。
古田は医師の家系ではなかったが、慶應高での3年間、勉強と部活を頑張っていたら、気づけば医学のスタートラインに立っていた。
「一生懸命勉強をしていたら、そういう選択肢(医学部進学)が出てきて、そこで初めて考え始めました」
2年時から主力スタンドオフとして活躍。
高校3年時にはスタンドオフとして花園に出場するなど、ラグビーに打ち込みながら文武両道を実践した。
2015年の慶大入学後は、慶大OBの金沢篤ヘッドコーチ(HC)に戦術理解力、キックスキルを評価され、大学2年時から主力スタンドオフとして活躍。以前から主将候補の一人だった。
「慶應は基本的に同期で話し合ってキャプテンを決めているんです。僕が現役の時(1990年代後半)も投票で決めています」(金沢HC)
今年も新4年生で話し合い、最後は投票によって、慶大ラグビー部史上初となる医学部主将が誕生した。