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バレー界に現れたスーパーな18歳。
西田有志「大学は遠回りというか」
posted2018/02/25 08:00
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
JTEKT STINGS OFFICIAL
バレーボールのV・プレミアリーグ男子では、この春に大学を卒業予定の内定選手たちが続々とデビューしている。
全日本のエースで、現在イタリア・セリエAのラティーナで活躍している石川祐希(中央大4年)と同世代の、JTサンダーズの小野寺太志(東海大4年)や武智洸史(中央大4年)、サントリーサンバーズの大宅真樹(東亜大4年)、東レアローズの戸嵜嵩大(駒澤大4年)といった選手たちは、1月にデビューし、既にチームの主力となっている。これほど多くの内定選手が主力として活躍することは珍しい。
ただ、そうした大学4年の内定選手たちの活躍がかすんでしまうほどの衝撃を与えている高校生がいる。
1月6日の堺ブレイザーズ戦で、男子のVリーグ史上最年少の17歳(当時)でデビューしたジェイテクトSTINGSのオポジット、西田有志。三重・海星高校3年の現役高校生である。
春高バレーと同じ時期にVリーグデビュー。
高校生にとって一番の晴れ舞台である春の高校バレーが東京で開催されていたちょうど同じ時、広島県立総合体育館でVリーグデビューを飾った西田は、途中出場した堺戦で70%を越えるスパイク決定率を残した。
翌7日のJT戦で初先発し、そこでも56.4%という高い決定率でチーム最多の26得点を挙げた。以降、先発出場を続けている。
身長は187cmとVリーグのスパイカーとしては大きくないが、最高到達点344cmの跳躍力があり、サウスポーから幅広いコースへ打ち分ける。何より対応力の高さに驚かされる。高校とVリーグではブロックの高さがまったく違うが、西田はそれをさほど苦にしていない。
「高校では自分が思いっきり跳んだらブロックの上から打てるのが当たり前だったんですけど、ここでは思いきり跳んでもブロックが目の前にある。だから高校で引退してからは、視野を広くして、相手のブロックがこう締めてきたらどう打てば決まるか、どう打ったら相手は取れないかというのを、自分の中で想像しながらやってきました」