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ビッグデータを制するのは阪神?
甲子園で高校生のデータ取り放題か。

posted2017/12/08 11:10

 
ビッグデータを制するのは阪神?甲子園で高校生のデータ取り放題か。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

今夏の甲子園で1大会最多本塁打を放った中村奨成。彼のような選手が今後出た際、ビッグデータでの解析が進むのかもしれない。

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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Hideki Sugiyama

 野球のビッグデータ化が急速に進んでいる。

 これまでのデータ野球といえば日本ではスコアラーが収集してきた様々な情報を分析して対策を練り、作戦を立案するいわゆるID野球が主流だった。そこにメジャーから生まれた統計学的な解析によるセイバーメトリクスの考え方が加味され、新たなデータ野球の領域が広がったのはよく知られている。

 ただ、ここ数年はさらにテクノロジーの発達によるビッグデータの利用が飛躍的に進行している。その主役を演じているのが、12球団が続々と導入しているトラックマンシステムである。

軍事用レーダーをMLBで導入、日本でも追随。

 すでにご存知の方も多いと思うが、改めてトラックマンシステムとはどういうものかをざっと説明しておこう。

 元々は迎撃ミサイル「パトリオット」の弾道解析のための軍事用レーダー装置から開発されたシステムだった。これを2003年にデンマークの「トラックマン社」が商品化。当初はゴルフの弾道計測などで利用されていて、野球では投手の投げたボールの回転数や角度、変化球の変化率、また打者の打球の角度やスピン量、飛距離などを計測できる。

 また、2015年からMLBで導入されたスタットキャストというシステムでは、トラックマンとステレオカメラを同調させてグラウンド上の選手やボールの位置、動き、方向を計測し、それらのデータを瞬時に記録、分析、数値化できるようになっている。

 日本では2014年に楽天がいち早くトラックマンシステムを導入し、現在はスタットキャストを使って詳細なデータ収集を行い、それを選手の育成から実際の試合での配球や采配にまで利用している。また楽天やDeNAではグラウンドだけでなく、このデータを使って本塁打の飛距離等を瞬時に球場の電光掲示板に表示するなど、ファンサービスへの活用も行なっている。

【次ページ】 数千万円レベルの資金投資が必要と言われる。

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