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GKの“オーラ”って一体何なのか。
サイズとも技術とも違うその正体。

posted2017/07/31 11:30

 
GKの“オーラ”って一体何なのか。サイズとも技術とも違うその正体。<Number Web> photograph by AFLO

ノイアーを見ていると、ミドルレンジ以上のシュートが入る気がしない。その「気がしない」という部分がオーラなのだろう。

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遠藤孝輔

遠藤孝輔Kosuke Endo

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 世の中にはありとあらゆる教本が存在する。もちろん、サッカーも例外ではない。

 大規模な書店に足を運べば、最先端のトレーニングメソッドから観戦術まで、目から鱗が落ちるような情報の詰まった一冊に必ず出合えるはずだ。

 ただ、サッカーは奥が深い。まだまだ掘り下げられていないテーマの1つに挙げられるのが、GKのオーラだ。

 オーラという言葉の意味を調べると、「人体から発散される霊的なエネルギー。転じて、ある人や物が発する、一種独得な霊的な雰囲気」(出典:デジタル大辞泉)とある。いまひとつ分かりにくいのは、目に見えるものではないからだろう。客観的に測れるものではなく、主観で云々せねばならない。正解がない、実態がないということだ。

GKのオーラについて、エキスパートに聞いてみた。

 では、GKのオーラとは? 

 この疑問をエキスパートにぶつけることにした。回答者はケルンでU-21および育成部門のGKコーチを務める田口哲雄氏。GK大国ドイツの名門クラブで長らく活躍し、トップチームのゴールマウスに君臨するティモ・ホルンに加え、2部ウニオン・ベルリンの正守護神ダニエル・メーゼンヘラーらを育成した指導者だ。

「オーラがあるGKは立っているだけで、ゴールマウスを小さく見せることができます。サイズが同じGKでも、シュートする側にとっては大きくも小さくも見えますから」

 そのオーラが最も大きいフットボーラーは誰か。田口氏は即答する。

「ブッフォンですね。彼にはプロ駆け出しの頃から独特の雰囲気がありました。良い意味での余裕があり、昨シーズンのチャンピオンズリーグ準決勝(モナコ戦)でムバッペのシュートを防いだ際には、笑いながら相手を称えていました。そこに嫌味はありませんでしたし、お高く止まっていない。そうした態度がオーラとして表れていると思います」

【次ページ】 ノイアーとブッフォンのオーラは質が違う。

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