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GKの“オーラ”って一体何なのか。
サイズとも技術とも違うその正体。 

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遠藤孝輔

遠藤孝輔Kosuke Endo

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posted2017/07/31 11:30

GKの“オーラ”って一体何なのか。サイズとも技術とも違うその正体。<Number Web> photograph by AFLO

ノイアーを見ていると、ミドルレンジ以上のシュートが入る気がしない。その「気がしない」という部分がオーラなのだろう。

ノイアーとブッフォンのオーラは質が違う。

 GKのオーラは得てして威圧感や信頼感という言葉にも置き換えられる。その両方を兼ね備えた選手として、筆者が真っ先に思い出すのはオリバー・カーンだ。現役のプレーヤーならば、マヌエル・ノイアーの名前を挙げる方が多いかもしれない。では、ノイアーもブッフォンと似たオーラの持ち主なのか。田口氏は言う。

「まずノイアーの場合は身体のサイズに恵まれているので、それだけで圧倒的な威圧感があります。極端な話、シュートする選手はポストの内側をピンポイントで狙わないと入らないという感覚があるでしょう。それがシュートミスに繋がる場合もあります。元デンマーク代表のピーター・シュマイケルも同種のオーラを放っていました」

 一方で、サイズに恵まれなくても、オーラを放っているGKは存在するという。その代表格として、田口氏はスペインと日本の名手の名前を挙げた。

「オーラは能力があってこそ付いてくるものです。例えば、カシージャス。彼の場合は名前、経験、実績に基づく独特の雰囲気がありますよね。日本人で言えば、高校時代の川口能活です。同世代の中ではサイズの小ささが目立たなかった部分もありますが、圧倒的なオーラがありましたよ」

GKのユニフォームは半袖より長袖がいい。

 矛盾するようだが、確かな能力を備えていてもオーラが小さいGKがいるのも事実。その大小を決定づけるファクターは何か。また、オーラを身に付けるためのトレーニングはあるのか。

 田口氏は指導の際、選手たちに技術的な部分以外の助言も与えているという。

「主観的な話になりますが、見た目、佇まいも重要です。腕をぶらんと下げているような選手には、姿勢を正すよう注意しています。自信を持って、肩を広げるようにと。それからユニフォームの着こなし方も指摘するようにしています。具体的に言えば、配色について。上が黄色なのに、下が赤色ではおかしいですよね。体格が良い選手ならともかく、半袖の着用も薦めていません。どうしても着たければ、ユニフォームと同じ色のアンダーシャツ(長袖)を着させます。腕が長く見える効果があるからです」

【次ページ】 Jリーグに韓国人GKが増えるなど、日本は人材難。

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