試合に出られないのも、結局は人間関係。

「やっぱりCBはコミュニケーションをとっていかないといけない。今では細かい要求もできるようになりましたし、そこは伸びた部分。スペインは主張する選手が多くて、誰もが自分をディフェンスリーダーだと思っています。そこはもう戦争ですね。言う必要のあることもないことも、皆が主張しあっている。自分も、もっと要求しないと。絶対に俺がリーダーなんだというくらいの気持ちでやってもいいかなと。

　出られない時に監督に話しに行く、とか、そういう要求も今後はしていきたい。結局は対人関係なんです。何度も監督が変わって、そういうことを言える選手の方が有利だと感じた。ピッチでやるだけじゃなく、人間関係を作ることの大事さ。日本では“扱いにくい存在”になるし、そういう選手が生き残り辛い社会です。でもスペインは小さな頃からそうで、日本人みたいな何も言わない良い子の方が消えていき、主張する人が残る。何かしらのアクションは起こすべきだと」

　シーズン後、鈴木は日本へ一時帰国した。ナスティックとの契約はあと1年残っているが、当然狙っているのは欧州でのステップアップだ。今オフにそのチャンスがあるのか、多くのことを見極めながら過ごす長い夏になるだろう。

「吉田の相棒」という代表の枠は空いている。

　聞きたかったのは、日本代表についてだ。

　6月のシリア、イラク戦では、CBのポジションに変更があった。

　固定と思われていた吉田－森重のコンビから、吉田－昌子へ。吉田を軸にするのは間違いないだろうが、現実的に見てCBの枠はひとつ空いている状態だ。

　もちろん鈴木もそれを理解している。

「監督は探している状態、だと思います。枠は空いていて、みんなにチャンスはある。代表はそうあるべきですし、みんながクラブで頑張って、競争が起こる。それが理想の状態だと思うし、そこに絡めるようになりたい。今、自分は27歳。これからCBとして一皮も二皮もむけるためには、絶対に代表には入りたい。代表に入って国際舞台で、ワールドカップで戦うことが自分を成長させてくれるのは間違いない。だから出たいですね、ワールドカップ。ロンドン五輪でも、それは感じることができたので」

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