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青木宣親がWBC前に話していたこと。
オランダ戦の苦労は、必ず後で効く。

posted2017/03/14 07:00

 
メジャーリーガーであることに加えて、第1回WBCに出場しているのは、今回の代表で青木宣親ただ1人。その存在は大きい。

メジャーリーガーであることに加えて、第1回WBCに出場しているのは、今回の代表で青木宣親ただ1人。その存在は大きい。

text by

生島淳

生島淳Jun Ikushima

PROFILE

photograph by

Nanae Suzuki

 WBCの開幕前に、フロリダに飛んだ。

「侍ジャパン」の中で、唯一のメジャーリーガー、青木宣親に大会に臨むにあたっての意気込みを聞くためだった。

 青木は2006年、2009年の大会に出場し連覇を経験。特に2009年には卓越した打撃技術を見せ、その活躍がメジャーリーグにつながったと私は思っている。

 今回、たったひとりアメリカから駆け付けた青木は「男気」に溢れている。その真意を確かめておきたかったのだ。

 インタビューをすると、話は単なる意気込みの話ではなく「WBCで勝つための組織論」へと発展していった。

 メジャーリーグではワールドシリーズも経験している青木だが、WBCには独特の雰囲気があるという。

「緊張感はものすごくあります。それを『楽しもう』とか、簡単には言えないほどです」

「WBCでは、苦労することが必要なんだと思う」

 日本は第1回、第2回ともに、頂点への道のりの中で手痛い敗戦を喫している(特に韓国には煮え湯を飲まされた)。しかし、それがかえってチーム力が高まるきっかけになるという。

「負けたことでみんなが責任を感じ、いろいろと話し合う。そこからグッとチーム力が高まっていくんです。一緒に時間を過ごせば過ごすほど、コミュニケーションを図る時間も増えるし、目標や考えることが共有できるようになってくる」

 今回も準決勝に駒を進められれば、チーム力は自然と高まっていくはずだと、青木は考えていた。

「WBCでは、苦労することが必要なんだと思います。組織として強くなるためには、みんなが考え込むような時間があっても悪くないんです」

【次ページ】 オランダ戦は、選手が「責任」を感じる試合だった。

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