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青山学院が42.195kmを席巻する日。
東京マラソン終盤に示した“遺伝子”。 

text by

戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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posted2017/03/02 08:00

青山学院が42.195kmを席巻する日。東京マラソン終盤に示した“遺伝子”。<Number Web> photograph by AFLO

箱根駅伝に出られなかった鬱憤を晴らすように、中村祐紀はそのポテンシャルを見せ付けた。マラソンでも青学旋風が起こる日は近い。

キプサングは2時間4分を切った。日本は……。

 栗城の瞳が鋭さを増す。

「それぞれの選手たちも、僕らフィジカルトレーナーも、2020年の東京五輪の男子マラソンで、メダルを獲りたいと思っています。でも、本番まではもう3年しかない。選手たちも、僕らも、時間がないという意識を強く持っています。日々の練習やストレッチから、無駄にすることはできません」

 東京マラソンで優勝を飾ったウィルソン・キプサングは、2時間4分を切るタイムでゴールテープを切った。世界のトップ・オブ・トップとの差に埋めがたいものがある一方で、日本国内に絶対的な存在は見当たらない。

 2017年3月時点の男子マラソン界で、青学駅伝チームの現役やOBは「成長が期待される若手」といった位置づけになるだろう。それでも、青学駅伝チームの遺伝子を持つランナーとフィジカルトレーナーの併走が、男子マラソンの勢力図を変えていくかもしれない。

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中村祐紀
下田裕太
田村和希
青山学院大学

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