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新日本オカダvs.ノア丸藤の両国決戦!
「次やったらわからない」2人の運命。

posted2016/10/03 07:00

 
新日本オカダvs.ノア丸藤の両国決戦!「次やったらわからない」2人の運命。<Number Web> photograph by Essei Hara

G1クライマックスでオカダから3カウントをとった丸藤。オカダの得意技レインメーカーを阻み、自分の得意技であるポールシフト式のエメラルドフロウジョンを見事に決めた。

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原悦生

原悦生Essei Hara

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Essei Hara

 気になるカードがある。

 新日本プロレス、10月10日・両国国技館。メインイベントは王者オカダ・カズチカと挑戦者、丸藤正道のIWGPヘビー級選手権だ。

 公式には王者と挑戦者の立場だそうだが、7月18日の札幌、G1クライマックス開幕戦でオカダは丸藤に負けている。そういう意味では、オカダが「挑戦者」という見方もできる。

 今回、丸藤を指名したのもオカダだ。

 札幌での初対決ではオカダが、丸藤のレインメイカー封じにあい、一発もレインメイカーをヒットさせることができずに、ヒザ攻撃からポールシフト式のエメラルド・フロウジョンを浴びてフォール負けした。

 オカダは「ひとつ貸しだ。次やったらわからない」と言った。

 勝った丸藤もオカダに「素晴らしい」「最高」と賛辞を送った後で「次やったらわからない」と付け加えた。

 それぞれの「わからない」は違う意味だろうが、普通、プロレスラーは「次は絶対勝つから」とか「今度は絶対負けない」と言い切るものだが、2人とも行儀正しいのか、冷静なのか「次はわからない」と表面的には、口をそろえた。

 だが、それから2カ月余が過ぎた9月25日の神戸大会でのこと。2人は8人タッグマッチで顔を合わせると、タイトル戦が近づいて気持ちに変化が起きたのか、その言葉がガラッと変わっていた。

丸藤は1・4東京ドームにIWGP王者として立てるか?

 丸藤は「絶対に勝つ」と戴冠を口にした。

 10月10日にオカダに勝つということは、急きょ防衛戦がセットされない限り、年が明けた2017年1月4日の東京ドームのリングにIWGP王者として立つということだ。

 そうしたら、それこそうっぷんがたまっているノアのファンは歓喜するに違いない。

 それに対して、オカダは王者としての余裕を見せる。

「一歩先を行ったつもりでも、(丸藤さんは)しっかりもう一歩先を行ってくれますから」と丸藤を冷静に分析したうえで、「オレが上だっていうことを証明する」という。

 そして「次の前哨戦は、10月8日。ノアのファンの皆さん、しっかりノアの丸藤さんを応援して下さいよ。オレのホームにならないように、アウェイ感を味わわせて下さい」とノア・ファンをたきつける。

 10月8日というのはノアの後楽園ホール大会だが、大一番の2日前に、GHCタッグ選手権として「丸藤、矢野通組vs.オカダ、YOSHI-HASHI組」が組み込まれているのだ。

 このタッグマッチ、なんか余計な気もする。矢野の優柔不断ないい加減さが、10・10でのオカダと丸藤に悪影響を及ぼすことも考えられる。

【次ページ】 「今のオレはノアを引っ張っていかなければならない」

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