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ホームを跨いでいたら全部セーフ!?
コリジョンルールの運用法を考える。

posted2016/05/13 10:30

 
ホームを跨いでいたら全部セーフ!?コリジョンルールの運用法を考える。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

初のルール適用でセーフになったが「タイミングは完全にアウト」と淺間は自分の判断を反省していた。

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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NIKKAN SPORTS

 今季から導入されたコリジョンルールが、改めて注目を浴びている。

 本塁上での過度の接触プレーを防ぐために、2016年シーズンから導入されたコリジョンルールが公式戦で適用され、アウトの判定がセーフに覆るケースが相次いで起こった。

 両リーグを通じて初めて同ルールでアウトがセーフに覆ったのが、5月6日の西武対日本ハム戦の6回だった。

 1死満塁からマウンドの西武・高橋光成投手の暴投で三塁走者が生還。さらに二塁走者の日本ハム・淺間大基外野手が本塁を狙って三塁を回った。これに対して本塁のベースカバーに入った高橋が、捕手からの送球を本塁を跨いで捕球して浅間にタッチ。一度はアウトが宣せられたが、日本ハム側の抗議でビデオ判定の結果、コリジョンルールが適用されてセーフへと覆った。

 また5月11日に甲子園球場で行われた阪神・巨人戦の3回、巨人が2死二塁から中前安打で二塁走者の小林誠司捕手が本塁に突入。小林は足からホームに滑り込んだが、一瞬早く原口文仁捕手がタッチしてアウトの判定。すかさず巨人の高橋由伸監督が抗議し、ビデオ判定に持ち込まれた結果、これまたコリジョンルールが適用されて判定はアウトからセーフへと変わった。

猛烈な抗議を見せた金本監督の怒りは収まらず。

「ちゃんと説明してほしいね」

 こう語り、猛烈な抗議を繰り広げた阪神・金本知憲監督の怒りは試合後も収まらない。

「写真なり映像で、どこがどうコリジョンなのか。あれをコリジョンと言われたら……。原口はバウンドを合わせただけだと思うけどね」

 判定した杉永政信二塁塁審は「最初から走路に入っていたという判断」と説明したが、阪神側は日本野球機構(NPB)に対して意見書を提出した。

【次ページ】 危険なプレーを未然に防ぐために作られたルール。

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