岩渕健輔、ラグビーW杯と東京五輪のためにBACK NUMBER

日本ラグビーが必ず強くなる理由――。
岩渕GMが語る監督選び、そしてSR。 

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岩渕健輔

岩渕健輔Kensuke Iwabuchi

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posted2016/03/24 10:30

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エディーの例を考えるまでもなく、ラグビーにおいて監督が強化に占める役割は極めて大きい。ジェイミー・ジョセフは何を日本にもたらすのだろうか。

2017年頃にはサンウルブズを代表チーム化!?

 個人的な話をすれば、ジェイミー・ジョセフは私が現役時代、日本代表で共にプレーした同僚でもあります。私はこのような交流を通して、彼の人柄やラグビーに関するノウハウの豊かさ、そして日本のラグビーを強くしたいという情熱を昔からよく知っていました。

 もちろん、最終的な適性の有無は蓋を開けてみるまではわかりませんが、少なくともヘッドコーチを選んでいくプロセスとしては、正しいステップを踏むことができました。彼のような人物と契約を結ぶことができたのは、日本ラグビー界全体にとって、非常に前向きな材料ではないかと思います。

 最後は日本代表の今後の展望について、少し触れたいと思います。

 代表の強化を考えた場合、短期的にはヒト・コミュニケーションズ サンウルブズの強化と、日本代表の強化をどこで連動させていくかという課題も出てきます。私が協会スタッフと共にスーパーラグビーへの参戦を実現させた最大の目的は、やはり日本代表の強化にあるからです。その意味では、ラグビーW杯日本大会がより目前に迫ってきた2017年頃からは、サンウルブズと日本代表の陣容を、限りなく近づけていくことも検討しなければならないでしょう。

選手が高いレベルの試合を経験する場をより多く。

 ただし中・長期的な視点に立つならば、必ずしも日本代表=サンウルブズでなくてもいいと考えています。日本ラグビーの総合的な底上げのためには、世界との戦いを肌で味わう機会を、より多くの選手、スタッフが持つことが重要だからです。

 具体的には、将来の日本代表入りを目指す選手が、サンウルブズでの活動を通してスケールアップしていくようなシナリオが実現することも十分に考えられます。このような新たな流れができてくれば、日本代表はトップリーグの試合はもとより、サンウルブズ、または海外のクラブチームでの活動を通しても、コンスタントに選手の強化を図っていけるようになります。

 新しい代表チームが本格的に始動するのは、現在行なわれているスーパーラグビーのシーズン中断期間になります。6月のスコットランドとのテストマッチは、サンウルブズの指揮を執るマーク・ハメットヘッドコーチが代行監督を務めますが、日本代表にとっては2019年に向けて、負けられない戦いが続いていくことは言うまでもありません。新生日本代表にも是非注目していただき、熱い声援を送っていただければ幸いです。

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