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プチ鹿島、2月のスポーツ新聞時評。
プロ野球キャンプを堪能する方法。 

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2016/03/01 18:00

プチ鹿島、2月のスポーツ新聞時評。プロ野球キャンプを堪能する方法。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

最短で4月23日(QVCマリンフィールド)でのオリックス戦から出場が可能になるというロッテのナバーロ。

6年前のネルソンとまったく同じ銃弾事件って……。


『伊東ショック 新4番が……実弾逮捕 ナバーロ 開幕アウトか』(日刊スポーツ・2月23日)

 実弾は那覇空港の手荷物検査で見つかり、その場で銃刀法違反で逮捕。

 このニュースを聞いて、あれ、どこかで聞いた覚えがあるぞと思った方もいるだろう。

 実は6年前にもまったく同じ逮捕劇があった。'10年2月に同じ容疑で中日ドラゴンズのネルソン投手が逮捕されている。しかもネルソンとナバーロは「キャンプ期間」「那覇空港」「ドミニカ共和国出身」という共通項がある。ドミニカ共和国では護身用に拳銃を持つことが認められているので「うっかり弾をバッグに入れたまま来日してしまった」という逮捕後の言葉も同じなのだ。

 今後ドミニカの選手と契約した球団は「バッグに実弾が入っていないか」というチェックを何より優先することになるだろう。

 今回の事件は「じゃぁ、今まで成田とか羽田とかでは何でわからなかったの?」という素朴な疑問もある。

 ナバーロ逮捕が伝わった日、私はさっそく「荒川強啓デイ・キャッチ!」(TBSラジオ)のコーナーで調べてみた。

 空港セキリュティに詳しい航空アナリストの方に聞いてみると、今回見つかったのは「機内に持ち込もうとしたから」で、預かりの荷物に入れると実弾ぐらいなら見つからないこともあるという(もちろん、拳銃のような大きさなら簡単に見つかる)。

 そして「沖縄」というのがポイントだという。ナバーロもネルソンも那覇空港の手荷物検査だった。米軍基地の関係で沖縄は国内でもトップクラスの検査体制で、もしかしたら沖縄のセキリュティなら預かり荷物に入れても見つかっていたのでは? とのことだった。

「不発」「幻の1発」というタイトルが浮かぶナバーロ。

 気になるのはナバーロの復帰後である。私は今から予告しておくが、復帰後にスランプが続いたときは「ナバーロ、不発」というオヤジジャーナルの見出しがもう見える。そしてホームランを30本打ったとしよう。「ナバーロ、“幻の1発”を入れたら本当は31発だった」というシーズン後の総評もみえるのである。今からちょっと期待してしまう(のちに銃弾は2発だったとわかる)。

 6年前のネルソンは出場停止3カ月の処分を受け、復帰後に4勝して翌年は開幕投手になった。ナバーロにはどういう結末がまっているのか。本人も反省しているようなので早くグラウンドで見たいなぁ。

【次ページ】 清原には「我々のために」きちんと再起してほしい。

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