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本気度の高い外国馬vs.手薄な国内馬。
ラブリーデイ本命も、JCは混戦模様。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2015/11/28 08:00

本気度の高い外国馬vs.手薄な国内馬。ラブリーデイ本命も、JCは混戦模様。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

今年からJCの1着賞金は3億円に。2位、3位にも手厚い日本競馬の賞金事情は海外勢にとって垂涎の的だ。

斤量-4キロのミッキークイーンは逆転の筆頭候補か。

 ラブリーデイの戴冠を阻みそうな馬としてまず目につくのは、僚馬のミッキークイーン(牝3歳、父ディープインパクト、栗東・池江泰寿厩舎)だ。同じコースのオークスを勝っており、古馬牡馬より4キロ軽い53キロで出走できるアドバンテージもある。

 1年先輩の秋華賞馬ショウナンパンドラ(牝4歳、父ディープインパクト、栗東・高野友和厩舎)も逆転候補だ。宝塚記念でコンマ2秒差の3着。秋初戦のオールカマーを勝ち、天皇賞・秋で不利な外枠15番からメンバートップタイの上がり33秒4の末脚で4着に追い上げた。2400mは初体験だが、折り合いがつくのでむしろ好材料だろう。

 スタミナは無尽蔵。問題はそれを使い切ってくれるかどうか、というのがゴールドシップ(牡6歳、父ステイゴールド、栗東・須貝尚介厩舎)だ。すでに、このジャパンカップと有馬記念を使って引退することが決まっており、須貝調教師も「有馬を頂点に持って行きたい」と話している。大目標は次だから、ここは……と見送ったら来るタイプのような気がする。

 昨年の菊花賞2着馬のサウンズオブアース(牡4歳、父ネオユニヴァース、栗東・藤岡健一厩舎)も、この距離はドンと来い、という一頭だ。

今年の外国馬の本気度は例年より相当高い!

 外国馬はどうか。

 過去2年連続3頭の出走にとどまり、今年も4頭と数のうえでは寂しいが、久しぶりに、高い「本気度」が感じられる馬がいる。

 その筆頭がナイトフラワー(牝3歳、父ディラントーマス、独・P.シールゲン厩舎)だ。

 シールゲン調教師は'99年タイガーヒル(3番人気10着)、'11年デインドリーム(1番人気6着)と、これまで2頭の管理馬をジャパンカップに出走させている。どちらも上位人気に支持されたように、タイガーヒルはバーデン大賞、デインドリームは凱旋門賞と、その年にビッグレースを制して来日した。

 このナイトフラワーも、バーデン大賞で2着になったあと、前走のオイロパ賞でGI初制覇を果たすなど、古馬の牡馬相手に結果を出してここに来た。

【次ページ】 ラブリーデイ騎乗経験のある騎手、というのも怖い。

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