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永井謙佑、走るのは「きついっすよ」。
誰よりも速く、誰よりも長い距離を。 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2015/05/22 10:30

永井謙佑、走るのは「きついっすよ」。誰よりも速く、誰よりも長い距離を。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

今季からJリーグで始まったデータトラッキングシステムでも、時速35km近くを何度も記録している永井謙佑。前にスペースがあるウイングバックへのコンバートは吉とでそうだ。

速いだけでなく、躍動感と迫力がある永井の走り。

 そして2015年、我慢の時を経て、飛躍を迎えようとしている。

 ハリルジャパンのメンバーにも名を連ねた。5年ぶりの代表では名古屋とは逆の右サイドハーフで起用され、さらに名古屋ではシステム変更に伴って一枚下がって左ウイングバックに。新たなポジションになろうとも、やるべきことは変わらない。「とにかく試合中によく動く」ことをまず考えるなら、ウイングバックも悪くない。この低めのポジションから抜群のスピードとスタミナを駆使してゴールに絡んでくるのも、永井ならば可能だと思わせる。

 走りたくとも走れなかったあの苦しみがあるからこそ、走る喜びも伝わってくる。単に速いだとか持続力があるだけでなく、躍動感ゆえの迫力が今の永井にはある。

 彼がこぼしたあのときの「きついっす」は、筆者の耳には「楽しいっす」に変換されて聞こえてくる。

 走れば走るほど、速くなる。

 走れば走るほど、永井謙佑は凄みを増す――。

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永井謙佑

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