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守備意識、裏への抜け出し、日の丸。
宇佐美貴史が代表で手に入れたもの。 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2015/05/15 10:50

守備意識、裏への抜け出し、日の丸。宇佐美貴史が代表で手に入れたもの。<Number Web> photograph by AFLO

ハリルホジッチ監督に体脂肪率の高さを指摘された宇佐美だが、それも監督にかけられた期待の高さの表れだろう。

 今シーズン、10試合で9得点。6試合連続ゴールを達成するなど、点取り屋として覚醒しつつある宇佐美貴史。日本代表にも招集され、3月31日のウズベキスタン戦では代表初ゴールを決めるなど波に乗っている。

 宇佐美に大きな変化を感じたのは、ハリルホジッチ監督の日本代表に招集された後だった。「ずっと入りたいと思っていたし、代表はずっと意識してプレーしていた」と言うように、代表入りは宇佐美にとっては悲願だった。そこで意識の高い選手らに刺激を受け、日の丸への執着心が強まった。その一方でハリルホジッチ監督は宇佐美に対して代表に、そして2列目として生き残るために必要な条件を満たすよう厳しく要求した。

 それが何だったのかは、その後のJリーグですぐに表現された。

代表から戻ってきた途端、宇佐美に生じた変化。

 まず、運動量と守備だ。

 以前の宇佐美は、ボールを持っている相手選手が近くにいても、自分からアプローチすることがほとんどなかった。だが、代表から戻ってくるや否や、相手選手について行って、自陣まで戻って守備をする回数が増えた。

「最近、貴史が前から行くようになったんで後の守備の負担が減った」と、遠藤保仁は宇佐美の守備意識の変化に気付いたという。相手を追えば必然的に運動量が増えるが、試合途中でバテることがなくなり、90分間動けるようになった。昨年のシーズン後半はガス欠を起こし、ほぼ毎試合、途中交代をしていたが、今シーズンは10分以上の時間を残して交代したのは2試合しかない。

「昨年は攻撃のために余力を残しておきたい感じやった。でも、今は守備をやりつつ、攻撃のクオリティを下げないように両方高いレベルでやれるようになりたい」

 この言葉からも、攻守両面への貢献なくして代表には生き残れないという自覚が読み取れる。

 その一方で、点を取るための新たな動きやゴールパターンの習得にも取り組んでいる。湘南戦ではセットプレーからのこぼれ球を体ごと押し込んで決めた。これまでの宇佐美にない泥臭いゴールだった。

「自分らしくないゴールやったけど、それをどんだけ増やせるか。そういうゴールを決めて自分の幅を広げて行くことが大事やし、その積み重ねが得点王に繋がると思う」

【次ページ】 チームメイトへの要求にも表れた宇佐美の変化。

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