相手の筆頭格、秋華賞馬の様子は……。

　相手の筆頭格は、そのヌーヴォを前走の秋華賞で負かしたショウナンパンドラ（3歳、父ディープインパクト、栗東・高野友和厩舎）だ。こちらも、気まぐれな牝馬とは思えない安定感がある。近親に、コントロールが難しい「猛獣系」として知られたステイゴールドがいるぐらいだから扱いにくいタイプかと思いきや、馬群のなかでも大丈夫だし、重馬場や不良馬場でもきっちり力を出しているところを見ると、競馬に対して前向きで、まじめな性格なのだろう。

「現状維持でいいと思っていたのですが、状態は上がっています」

　と高野調教師は自信をうかがわせる。

実力馬ながら重賞未勝利のラキシス。

　この秋のGIの流れからして、今回も重賞未勝利馬が勝つのかな……と出馬表を見わたしていると、ラキシス（4歳、父ディープインパクト、栗東・角居勝彦厩舎）の名が目に飛び込んできた。

　重賞未勝利とはいえ、昨年のこのレースで2着となり、今年の中日新聞杯とオールカマーでは、牡馬相手に僅差の2着と力のあるところを見せている。ディープ産駒で、母の父がストームキャットというのはキズナと同じ配合だ。しかも、生産がノーザンファームで、管理するのが「世界のスミイ」とくれば、あっさり勝っても不思議ではない。

　前々走のヴィクトリアマイルで15着に大敗したのは馬体減が響いたようだ。角居調教師によると、環境が変わるとカイバを食べなくなるなど神経質なところがあるらしいが、今はしっかり食べているという。

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