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「30歳まではサッカーが嫌いだった」
元日本代表・加地亮、新天地での今。

posted2014/11/13 10:40

 
「30歳まではサッカーが嫌いだった」元日本代表・加地亮、新天地での今。<Number Web> photograph by Yoshitaka Kikuchi

今季、MLSチーバスUSAでプレーした加地亮選手。経営難などを理由に、チームは解散となり、現在、加地選手の去就は未定となっている。

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菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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Yoshitaka Kikuchi

 今年6月にガンバ大阪から米国プロリーグのMLSチーバスUSAへ完全移籍した加地亮選手が、2014年シーズンの全日程を終えた。

 34歳で初の海外リーグ参戦。しかも、欧州リーグ移籍が主流の中で、MLSを選択した元日本代表の決断には注目が集まった。

 MLSは長年“サッカー不毛の地”と言われた米国で、1996年に誕生したリーグ。Jリーグとほぼ同じ年齢のリーグは、加地の目にどう映ったのだろうか。

「サッカーの種類が全然違う。ダイナミックというか豪快なサッカーですね。どちらかと言うと組織より個人でサッカーをするスタイル。種類が違いすぎて(日本と)比べる次元ではないです。日本だとチームとして組織でどうやって攻めたり守るかを考えるが、こっちは個人の能力が試される場であって、どれだけ個人が見せられるかというのがポイントになってきますね」

 チーム合流後、ビザ取得後の7月20日に途中出場ながら公式戦初出場を果たす。その後は、1試合を欠場したのみで14試合に先発フル出場。着実にチームの主力選手として存在感を示した。

米国の“異次元”のサッカーに感じた戸惑い。

 だがフィールドで繰り広げられる“異次元”のサッカーに、加地の中では様々な戸惑いもあったようだ。

「ディフェンス面でも、周りと連携しながら一緒に(ボールを)獲りにいくというのではなく1人でボールを奪取しにいかせる。しかもアメリカはスピード重視で、前(フォワード)が速い選手ばかり。やはり間合いが必要になるし、下手に飛び込んで一発でかわされるとチャンスをつくられてしまうから、そうならないようにじっくり仕掛けるというのを自分では考えていたんです。

 でもそうじゃなくて、もっと激しくコンタクトしてボールを奪うことを求められる。もう無理だと思ったら身体ごといって止めるみたいな意識ですね。日本なら要らないファウルをしなくていいとなるが、こっちはファウルしてでも止めてなんぼという感じです」

 ディフェンス面ばかりでなく、オフェンス面でもサッカーの違いを痛感した。

「いけいけサッカーというか、いけるところまでいって、無理ならそこで終わりというサッカー。なので、シュートの打ち合いです。見てる方は楽しいでしょうが、ディフェンダーとしては凄くやっかい。毎試合、大変でした」

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