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リバプールが目をそらす「現実」。
欧州制覇よりもリーグ4位死守を。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byTomoki Momozono

posted2014/11/16 10:40

リバプールが目をそらす「現実」。欧州制覇よりもリーグ4位死守を。<Number Web> photograph by Tomoki Momozono

ロジャーズ監督は1973年生まれの41歳。昇格直後のスウォンジーの指揮官として名を上げ、リバプールの監督に就いて3シーズン目を迎える。

 11月8日のリバプール戦を終えたジョゼ・モウリーニョには、アンフィールドでの闘いを終えたという実感が薄かったことだろう。

 チェルシーの指揮官は、試合前日の会見でリバプールの「12人目」が持つ力の大きさに触れ、その影響力は「選手や監督以外にも及ぶ」と発言した。自身が未だに認めていないゴールの判定に敗れた、2004-2005シーズンCL準決勝でのアウェイゲームは、過去10年間で両軍間に生まれた因縁の一部に過ぎない。そしてモウリーニョは、忌々しい敵軍監督として、リバプールのサポーターに目の敵にされてきたはずだった。

 ところが今回、アンフィールドの観衆が抱く怒り混じりの不満は、リバプールを率いるブレンダン・ロジャーズに向けられていた。ロジャーズは、敗戦(1-2)を告げる終了の笛が鳴る前から自軍サポーターに非難されていた。

 その理由は、MF2名に交代を命じた70分の采配。1点を追う立場で、フィリペ・コウチーニョを下げてFWのファビオ・ボリーニを投入し、エムレ・カンをより攻撃的なジョー・アレンに代えた交代策は、決して間違っていたわけではない。しかし、プレーメイカーのコウチーニョを交代させたことをマイナスと判断したホーム陣営からは、監督への不信感を示すブーイングが起こった。

170億円を費やした補強の結果は?

 ファンの苛立ちは分からなくもない。リバプールは、前節ニューカッスル戦(0-1)からの1週間で、CLでのレアル・マドリー戦(0-1)を含む3連敗。今季プレミアリーグでの黒星は早くも5つ目を数えた。昨季プレミア2位を獲得し、ファンが25年ぶりのリーグ優勝を期待するチームとしては、あってはならない事態だ。

 ロジャーズによる「目標は4位以内」というチェルシー戦後のコメントは、アンフィールド界隈で「消極的」と受け取られた。たしかに、今夏の移籍市場に1億ポンド(約170億円)を超える資金を投じた事実を考えれば、淋しい発言だ。

 だが、昨季と今季は違う。行なわれた補強は、ルイス・スアレスというワールドクラスの流出による戦力ダウンを、大量9名の獲得による総合力アップで補おうとする形になってしまった。その上、CBのデヤン・ロブレン、ボランチのカン、ウィンガーのアダム・ララーナ、センターFWのマリオ・バロテッリといった新戦力は、本領を発揮できないまま開幕4カ月目を迎えている。

【次ページ】 欧州の頂点を夢見るリバプールの「信者」たち。

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