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チームの団結は“タダ”ではない。
レーブが語るW杯優勝の秘訣とは? 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2014/09/29 10:30

チームの団結は“タダ”ではない。レーブが語るW杯優勝の秘訣とは?<Number Web> photograph by Getty Images

FIFAとUEFAが共同で開催した会議に臨むドイツ代表のレーブ監督。W杯後にベテランの代表引退などがあったが、9月7日のEURO 2016の予選ではスコットランドに勝利した。

「現代の選手は、何事にも説明と根拠を求める。
監督はそれに答えることができなければならない」

ヨアヒム・レーブ (ドイツ代表監督)

 9月16日、ロシアのサンクトペテルブルクにヨーロッパ中から代表監督が集結した。FIFAとUEFAが共同で開催した会議で、2日間に渡って2014年W杯の総括が行なわれたのだ。

 参加者はドイツ代表のレーブ、スペイン代表のデルボスケ、フランス代表のデシャン、イングランド代表のホジソン、ロシア代表のカペッロ、クロアチア代表のニコ・コバチ、ギリシャ代表のラニエリなど……そうそうたる顔ぶれである。

 会議の最大の見せ場は、W杯優勝監督のレーブによるトークセッションだった。同業者の監督たちが見守る中、レーブはマイクを握った。

「心理学の知識やコミュニケーションスキルが重要」

 司会者から「監督にとって大切なことは?」と問われると、54歳の指揮官はこう答えた。

「専門知識やフィロソフィーを持っていることに加えて、選手とコミュニケーションを取れることだ。現代の選手は、何事にも説明と根拠を求める。監督はそれに答えることができなければならない。つまり、心理学の知識やコミュニケーションスキルが監督にとって重要になっているんだ」

 ドイツが個人の力ではなく、チームワークによって世界一になった――ということは、今さら説明する必要はないだろう。実績や年齢に関係なく全員が仲間のためにプレーした。

 だが、そういう一体感は、黙っていて手に入れられるものではない。特にドイツのような自己主張が強い国では、衝突が起こりやすい。レーブが選手一人ひとりと対話をしていなければ、いつ歯車が狂ってもおかしくなかった。

【次ページ】 中盤での起用を希望したラームへの対応。

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