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トップリーグ開幕直前、松島幸太朗が見せた「違い」。
~南ア仕込みのトライゲッター~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byAki Nagao

posted2014/08/22 10:00

トップリーグ開幕直前、松島幸太朗が見せた「違い」。~南ア仕込みのトライゲッター~<Number Web> photograph by Aki Nagao

日本代表としても期待のかかる松島。今年5月にはサモアを相手に鮮烈なトライを決めた。

 しなやか、という言葉では足りない。大股ステップは大胆で柔軟。パワフルかつ柔らかい加速。その走る姿を見たら、うおっ! と声が出てしまう。

 8月8日、東芝グラウンドで行われたトップリーグ開幕に備えてのプレシーズンマッチ、東芝vsサントリーのライバル対決。試合は40-26で東芝が勝利した。スクラム、ラインアウトというFWのセットプレーの集中と結束は見事だった。

 しかし、熱帯夜の府中ダービーで、最も見る者の目を奪ったのはサントリーの15番、松島幸太朗だった。

 前半2分、ハイパント捕球の際には、東芝の元オールブラックスCTBリチャード・カフィの爆弾タックルを浴びて5mも吹っ飛ばされながら即座に起き上がり、直後のカウンターアタックに参加して先制トライをセットアップ。後半2分には自陣ゴール前のターンオーバーでボールを持つと、大股ステップで相手タックルを次々とかわして相手ゴール前まで約70mを独走し、CTBトゥシ・ピシのトライをアシストだ。

「久々に(痛いのを)味わいましたね」

 試合後、カフィの爆弾タックルについて聞くと、松島は控えめに笑った。

「でも、今日は自信がつきました」

南アフリカのプロチームで3シーズン鍛えた異色の経歴。

 21歳。国内でいえば大学4年生の年齢だが、松島は桐蔭学園高校を卒業後、南アフリカのプロチーム、シャークスのアカデミーに留学。世界で最もフィジカルの激しいと言われる南アフリカで、3シーズンにわたって揉まれた経験は、国内で過ごした選手たちとは異次元のものだ。

 ラグビートップリーグの新人賞は、過去11シーズン、すべて大卒の選手が受賞している。日本では若年層のトップ選手がほぼ全員、強い勧誘を受けて大学へ進学している以上、自然な結果だろう。

 それだけに、あえて違う道を歩んだ松島の「結果」に興味が湧く。

 新人賞レースを争うのは、昨季の帝京大を率いたSO中村亮土(サントリー)、FB竹田宜純(トヨタ自動車)、筑波大2年で日本代表入りしたSH内田啓介(パナソニック)、日本代表育成選手で早大前主将のPR垣永真之介(サントリー)、同じ早大でトライを量産したFL金正奎(NTTコム)か。開幕は史上最も早い8月22日。灼熱のトップリーグは、ルーキーたちの躍動に注目したい。

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