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大学ラグビー界の下克上に挑む者たち。
~対抗戦の名門&強豪を打ち倒せ~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byNobuhiko Otomo

posted2014/07/24 10:00

オールスター戦でキックオフを蹴る明学大の高倉。昨冬の入れ替え戦はWTBで活躍した。

オールスター戦でキックオフを蹴る明学大の高倉。昨冬の入れ替え戦はWTBで活躍した。

「絶対に勝ちたかったんです」

 6月29日に行われた関東大学オールスター戦。リーグ戦選抜の選手たちは、全員が同じことを言った。

 昨年の第1回は対抗戦選抜が55-28で圧勝。昨季の大学選手権は対抗戦が4強を独占。今春の春季大会でも、グループAは帝京大、グループBは明大が優勝した。早慶明の3大名門に大学5連覇の絶対王者・帝京大、国内屈指の才能が集う筑波大……大学ラグビーを一極支配する対抗戦の優位は断然と思えたが、勝負はやってみないと分からない。

 試合は対抗戦が前半を10-7とリード。後半早々には17-7まで点差を広げたが、リーグ戦は徐々に反撃。後半16分にNo.8リサレ(流経大)のトライで追い上げ、同34分にWTBトロケ(日大)が逆転トライ。21-17の逆転勝ちに、リーグ戦フィフティーンは抱き合い、跳び上がって喜び、冒頭の言葉を発したのだ。

「選手たちが心底勝ちたいと思ったことに尽きる」と内山達二監督(流経大)。突破役として奮闘したFB合谷和弘(同前)は「去年は何もできずに負けた。ここで勝っておかなきゃと、みんなでディフェンスしました」と胸を張った。

FB高倉知希らを擁する明治学院大も、下克上を狙う。

 同じ日、違う角度から強豪校のビッグネームに挑んだのが、対抗戦選抜のFB高倉知希だ。今季、対抗戦Aに初昇格した明治学院大のエースとして、春季大会ではチーム最多の3トライをあげてオールスターに選出され、FBで先発した。

「選ばれるとは思っていなかったからびっくりしたけれど、秋は公式戦で対戦するんだから、遠慮してたら(本番でも)やられちゃう。チャンスがあったら思い切ってプレーをしようと思った」

 明学大の対抗戦加盟は'85年。上位校にはなかなか試合を組んでもらえず、好成績を残しても上位進出がかなわない不遇も味わった。'97年の対抗戦AB2グループ制導入後はBに低迷。しかし昨季就任した明大OBの高橋一聡ヘッドコーチは「明学は身体は小さいけど、ラグビーの脳みそが柔らかくて、先入観がない」とプラス思考でチームのエネルギーを引き出し、1年目でA昇格を果たした。

「春はほとんど大敗。だけど内容は悪くなかったですよ」と高橋HCは前向きだ。

 この秋、下克上は起きるのか。リーグ戦勢と明学大の挑戦に注目していきたい。

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