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ソチ・パラリンピック閉幕。
アルペン選手団躍進の理由。
~森井大輝が残した、銀以上の功績~ 

text by

宮崎恵理

宮崎恵理Eri Miyazaki

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posted2014/03/31 16:30

ソチ・パラリンピック閉幕。アルペン選手団躍進の理由。~森井大輝が残した、銀以上の功績~<Number Web> photograph by X-1

スーパー大回転で2個目の金メダルを獲得した狩野(右)と銀の森井。

 3月16日、ソチ・パラリンピックが閉幕した。今大会を通じて日本勢の活躍が際立ったが、中でもアルペン競技の躍進は目覚ましかった。競技初日8日のアルペンスキー滑降で、男子座位の狩野亮が金メダル、鈴木猛史が銅メダルを獲得。9日のスーパー大回転では、狩野が2個目の金メダル、日本選手団主将を務める森井大輝が銀メダル。さらに13日には、回転で鈴木が金メダルを手にした。

 アルペン会場の雪は日本のゴールデンウィークのスキー場を思わせるザラメ雪。各国の選手が苦戦を強いられ、スーパー大回転では、出場した男子座位31人のうち、完走したのはわずか12人だった。

 このサバイバルレースとなった高速系2種目を制したのは、小学3年の時に交通事故で脊髄を損傷し、スキー教師の父とともに小6でチェアスキーを始めた狩野だ。バンクーバーでも金と銅を獲得しているエースはこう語る。

「荒れたバーンで、しかも滑降なのに大回転を滑っているかのような、難しいコースレイアウト。日本チームのチェアスキーのテクニックがアドバンテージになったと思います」

森井は調整方法と精神面で後輩選手たちを支えていた。

 勝因の一つに、日本製チェアスキーのテクノロジーの高さが挙げられるが、決してそれだけではない。

「(森井)大輝さんが、ミリ単位にまでこだわってコツコツと積み重ねてきた調整方法を、僕ら後輩に惜しみなく与えてくれたからこそ、僕らは自分にぴったりのチェアスキーを作り上げることができました」(狩野)

 基本構造は同じでも、障害の状態や程度によって、シートの形状や足を載せる位置などディテールは異なる。だから、狩野のマシンに森井や鈴木が乗っても、狩野と同じ最速タイムは出せない。それに現在、上位選手の7割近くが日本製のチェアスキーを使用している。そんな中、日本が成果を上げられたのは、森井を中心に選手それぞれの調整が高いレベルで実現していたからであった。

【次ページ】 金メダリスト・鈴木に自信をもたらした森井の一言。

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