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チームに捨てられた少年の復活物語。
F1新王者ベッテルの“長い旅路”。 

text by

尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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photograph byHiroshi Kaneko

posted2010/12/16 10:30

チームに捨てられた少年の復活物語。F1新王者ベッテルの“長い旅路”。<Number Web> photograph by Hiroshi Kaneko

ユーロF3のルーキーイヤーでは総合ランキング5位だったベッテル。ちなみに、この時の王者はルイス・ハミルトンで圧倒的な速さを見せていた

「信じられないくらい長い旅路」の果ての栄光。

 結果は、いきなりの初入賞(8位)。

 このときベッテルの年齢は19歳349日で、それはジェンソン・バトン(当時ウイリアムズ)が2000年に樹立していた20歳67日のF1史上最年少記録を更新する大記録だった。

 この活躍に驚いたのが、レッドブル。慌てて、契約を買い戻して、ベッテルをBMWザウバーから呼び戻し、まずはレッドブルの兄弟チームであるトロ・ロッソからF1に参戦させるのである。そして、1年後の'08年のイタリアGPで史上最年少で初優勝を飾る。もうレッドブルがベッテルにシートを与えない理由はなかった。

 そして、それから2年後、ベッテルはついに世界最高峰のF1で頂点に立ったのだ。

 ベッテルの長い長いチャンピオンスピーチの中に、こんなワンフレーズがあったのもうなずける。

「信じられないくらい長い旅路だったよ」

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セバスチャン・ベッテル
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