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年末恒例、'10年シーズン
ベストアワード発表。
~今宮純が選ぶF1トピックス~ 

text by

今宮純

今宮純Jun Imamiya

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posted2010/12/30 08:00

年末恒例、'10年シーズンベストアワード発表。~今宮純が選ぶF1トピックス~<Number Web> photograph by KYODO

 実に長かった60周年シーズン、8カ月におよぶ全19戦はハードな行程だった。他のプロスポーツで、2週連続で南米と中東で開催されるイベントがあるだろうか。コンディショニング面で今年は最後まで非常に厳しかったと思う。

 その大陸間の連戦で2連勝したS・ベッテルが、アブダビGPで初めて単独ポイントリーダーとなり、F・アロンソを逆転して年間王者に輝いた。スピードこそすべてだった。序盤にはマシントラブル、中盤にはチーム内で采配をめぐる混乱も起きていたが、それらを克服した。

 ベストマシンではないながらもよく追い上げ、いったん首位に立ったアロンソの総合力も際立った。M・ウェバーは中盤まで健闘したものの終盤は脆さが見られ、心身ともに燃え尽きた感があった。3勝したL・ハミルトンのアグレッシブな激走は“雨のバトン”の2勝とは違うスタイルで、まさに2人は動と静と言えた。

可夢偉の堂々たるオーバーテイク、トレンドとなった「Fダクト」……。

 一方、チームメイト間で結果に最も大差がついたのがルノーで、R・クビサのモナコGP3位表彰台は彼の腕によるものだ。3度3位に食い込んだN・ロズベルグも復帰したM・シューマッハーに刺激されながら、コンスタントなレースを見せた。41歳の“新人”が苦戦した理由はシーズン中のテストラン禁止、ピット給油禁止など規則が一変していたせいもある。それでも鈴鹿やスパなど高速コーナリングでオーラを放ち、闘争心はまったく衰えてはいなかった。

 ベストマシンは最速レッドブルRB6。新兵器「ブローディフューザー」は空力性能面ですべての名門を駆逐した。これに対抗したマクラーレンの新兵器「Fダクト」も画期的で一躍、今年のトレンドとなった。ピットストップでのタイヤ交換は早業3秒台(!)に突入。8レースでメルセデスチームが最速タイムを記録した。堂々たるオーバーテイクを演じた小林可夢偉、僕は鈴鹿よりアロンソを抜いたヨーロッパGPが印象に残る。

 レース興奮度がMAXに達したモンツァ、われわれ取材者にランチビュッフェを提供してくれた開幕戦バーレーン、水煙立ち込める初韓国で競技運営に努めたメルセデス・ベンツのセーフティカー、242戦目のアブダビまでサポートに徹したブリヂストンなどなど、'10年シーズン、脳裏に刻み込まれたシーンは尽きない。

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