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甲子園組、不出場組が揃って活躍。
18U選手権の準Vは野球版「倍返し」!  

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byYuji Arakawa

posted2013/09/15 08:01

甲子園組、不出場組が揃って活躍。18U選手権の準Vは野球版「倍返し」! <Number Web> photograph by Yuji Arakawa

上背は170cmながら、丸太のような腕と鋭いスイングで真っ向勝負を挑んだ森友哉。リードでもセンスを見せ、さらに評価を高めた。

 甲子園大会終了後の9月1日から始まった第26回IBAF18Uワールドカップ(以下18U選手権)で、高校日本代表は見事準優勝に輝いた。代表メンバーは例年通り甲子園出場組を中心に選出されたが、春の選抜組から若月健矢(花咲徳栄・捕手)、今夏は地方大会で敗退した松井裕樹(桐光学園・投手)、渡辺諒(東海大甲府・遊撃手)が選ばれた。田口麗斗(新庄・投手)などは一度も甲子園の土を踏んでいないにもかかわらず実力が評価され、代表メンバーに滑り込んだ。

 これまで数多くの国際試合や親善試合を迎えるにあたって、高校日本代表メンバーが選出されてきたが、「甲子園ベスト8進出校を中心に」や「地域のバランスを考えて寒冷地からも数人」などと様々な思惑が入り混じり、本当に優れた選手だけで構成される高校日本代表チームはなかった。

 しかし、このチームは違った。「JAPAN」の5文字が胸に入ったユニフォームを新調しているように、高校生といえどもWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)を戦う“侍ジャパン”の弟分という位置づけだ。それが、地域のバランスとか、選手権で頑張ったご褒美とか、余計な挟雑物を入れず、純粋に技量だけを考慮して選出しなければならない背景になった。高校野球が大きく変わったと思った。

松井裕樹は「日本のエース」を強烈にアピール。

 この18U選手権で、日本チームを決勝まで導いた原動力は投手である。1次ラウンド5試合のうちメキシコ、ベネズエラ、チェコ戦は完封勝利、初戦の台湾戦は松井が7四球、1死球と制球を乱しながら山岡泰輔(瀬戸内)との必勝リレーで1点に抑え、快勝した。

 松井は夏の神奈川大会準々決勝で宿敵、横浜に2対3で敗れ、甲子園には出場できなかった。18U選手権は雨で2試合登板が延び、調整が難しい流れにあったが、そういう諸々のマイナス要素を爆発力に変え、台湾戦は12三振、1失点。続く2次ラウンドの韓国戦は6回を4安打、6三振、無失点で切り抜け、「日本のエース」を強烈に世界にアピールした。

 松井と“両輪”と言ってもいい活躍をしたのが安楽智大(済美2年・投手)だ。甲子園は3回戦で花巻東に6対7で競り負けたが、初戦(2回戦)の三重戦も7失点しているように万全ではなかった。私が首を傾げたのは投げるたびに帽子が飛ぶマウンド上の姿。見る人によっては力強さの象徴と感じたかもしれないが、これは投球フォームの不安定さ(とくに上体のブレ)を雄弁に物語っていたと思う。

【次ページ】 安楽は甲子園から1カ月で課題を克服してみせた。

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