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<最強ゴルファー、復活の時> ウッズとミケルソン 「“二強時代”再び」 

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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photograph byAFLO

posted2013/09/17 06:01

<最強ゴルファー、復活の時> ウッズとミケルソン 「“二強時代”再び」<Number Web> photograph by AFLO
若手の台頭、欧州勢の快進撃が話題の中心だった
ここ数年のPGAツアー。だが不振が続いていた
ビッグネームがついに復活。ベテランの強さが
際立った今季の米ツアーを振り返る。

 タイガー・ウッズ完全復活――。大幅なシステム変更途上の過渡期ゆえ、レギュラーシーズンが史上最短の8カ月で終了となった今季の米ツアー。その中で一番目立った選手は、言うまでもなくタイガー・ウッズだった。

 12試合に出場し、軽々5勝。試合に出れば4割以上の確率で勝利するウッズの強さを間近に眺め、ウッズ番記者たちは目を輝かせながら完全復活説を書き立てた。

 タイガーマニアと呼ばれる熱狂的なファンたちは、ウッズがクラブを振るたびに「ゴー、タイガー!」と狂喜しながら叫ぶ。天気が良くても悪くても、大観衆の群れがロープ際にぞろぞろと連なっていれば、その大群の視線の先にウッズがいることは数百ヤード先からでも一目瞭然。そんなお祭り騒ぎは、確かに完全復活を思わせるものだった。

 だが、ウッズ万歳と叫ぶ代わりに、首を傾げ、人差し指を左右に振りながらウッズ復活説に異論を唱えるシニカル派の主張はこうだ。

「年間5勝は立派だが、メジャーで勝てないウッズは最強時代のウッズとは別人だ。メジャーにおいて、もはやウッズは優勝候補ではなく伏兵に近い」

今季のメジャーでウッズが勝利に迫った大会はなかった。

「伏兵」とまで言い放つのは過激すぎる気もするが、今季のメジャー4大会を振り返っても、ウッズが本当の意味で勝利に迫った大会がひとつもなかったのは事実だ。マスターズだけは2日目まで優勝の可能性を感じさせる展開だったが、3日目の朝、ドロップ処置の誤りによる失格が取り沙汰される異例の事態へ。「タイガーはルールを熟知していない?」「マスターズ委員会はタイガーを依怙贔屓?」等々、グレーなイメージを残したうえでウッズは4位に甘んじた。

 全米オープンは32位、全英オープンは6位ながら優勝争いには絡めず、全米プロは40位とまるで振るわずじまい。

 '08年の全米オープン以降、5年以上もメジャー未勝利となっているウッズが、メジャー15勝目を挙げたら、とんでもないビッグなニュースになる。つまり現在のウッズは、メジャーを制して当然と見られていたかつてのウッズとは、もはや別人。なるほど、そう考えれば、この過激説もなかなか理に適っている。

 けれど、最も注目したいのは、世界のゴルフ界がウッズとフィル・ミケルソンの二強時代を迎えつつあるという意見だ。ミケルソンは今季2勝だが、そのうちの1勝は全英オープンだ。6月の全米オープンでも優勝目前まで迫る奮闘を見せて惜敗。ウッズよりずっとメジャー勝利に近い位置に居続けている。

【次ページ】 「二強」に挑むゴルファーは多士済々だが……。

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