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J1王者広島が見せる、
“新陳代謝力”とは?
~東アジア杯の顔ぶれが示す強さ~ 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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posted2013/08/12 06:00

J1王者広島が見せる、“新陳代謝力”とは?~東アジア杯の顔ぶれが示す強さ~<Number Web> photograph by AFLO

第11節から第18節までJリーグでは負けなし。若手の活躍が目立つのも広島らしさ。

 今季のJ1もシーズンの折り返し地点を迎え、昨季王者の広島が首位に立っている(第19節終了時点)。今季の広島は開幕戦で浦和に敗れるなど、決して好スタートを切ったわけではなかったが、ジワジワと順位を上げてきた結果の首位折り返し。まだまだ順位の入れ替わりはあるだろうが、連覇は十分に手の届くところにある。

 さて、そんな広島の強さを図らずも証明したのは、東アジアカップで初優勝した日本代表の顔ぶれである。

 ザッケローニ・日本代表監督が「新戦力を発掘するために」集めたメンバーは、現在のJリーグで活躍する選手ばかり。日本代表の主力組を脅かさんとする、今が旬の顔ぶれに特徴的だったのは、“広島占有率”の高さだった。

 今回登録された23人中、広島所属の選手は西川周作、千葉和彦、青山敏弘、高萩洋次郎の4人。単純にクラブ別で最多なのだが、それだけの話ではない。

 他にも、現在は他クラブに所属しているが、元々は広島に所属していた選手が、林卓人、駒野友一、槙野智章、森脇良太の4人。さらには、森重真人も中学時代は広島の育成組織で育ったキャリアを持つ。つまり、全登録メンバーの実に3分の1を超える数の選手が、広島と関わっていることになるのだ。

育成組織出身選手が去っても西川周作らを補強し、強化を怠らず。

 この占有率の高さは、広島というクラブが新陳代謝を巧みに進めていることの証ではないかと思っている。

 要するに広島は、自前の育成組織からトップチームへ選手(高萩、駒野、槙野、森脇)を送り出す一方で、高校からも新人(林、青山)を獲得。成長した彼らが広島を離れたとしても、自分たちの志向するサッカーに適した選手(西川、千葉)を他クラブから補強する。そうした循環が非常にうまくいっているのだ。

 しかも、そのやりくりの過程において、ついにはJ1を制覇。広島は育成と強化の二本柱を高いレベルで実現している、稀有なクラブだと言っていい。

 敵地ソウルで韓国を破り、にわかに注目を集める日本代表の新戦力候補たち。主力メンバーが固定され、マンネリ化が指摘されるチームにあっては、今後も彼らの奮闘が期待される。

 そんな選手たちの顔ぶれに、J1王者の強さの秘密が透けて見えた。

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