南ア・ワールドカップ通信BACK NUMBER
スペインがドイツに勝利する条件。
「タイムマシンのスイッチを押せ」
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2010/07/06 12:00
アルゼンチン戦の4点は全てドイツの左サイドが生んだ。
あとはサイドの攻防だ。
両チームともバランスよく両側から攻める。
しかし見ものはそれぞれの左サイド。
ドイツの左はアルゼンチン戦での4ゴール全てを生みだした。
対するスペインの右SBセルヒオ・ラモスは果敢な攻撃参加が特長。
この局地戦、イニシアティブを握るのはドイツのポドルスキだろうが、ラモスも大人しく守っているだけの選手ではない。いずれ仕掛ける。その状況とタイミングによっては、試合の流れがどちらかに傾くかもしれない。
ラームといえども、絶好調ビジャを抑え込むのは困難。
他方、スペインの左には現在得点ランキング1位のビジャが開く。今大会非常にキレている彼は縦に抜け出し、中に切れ込む。その上、ストライカーらしく、絶好のボールを引き寄せる磁力も発している。ちょうどパラグアイ戦の得点シーンのように。
ドイツの主将を務める右サイドバックのラームといえども、いまのビジャを1人で抑え込むのは難しい。
となると、そこでドイツは守備の均衡を崩すかもしれない。これもまた試合が動くきっかけになる。
奇しくも再現される'08年ユーロの決勝カード。共に攻め合う好ゲームが期待できる。