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デュッセルドルフで“雌伏の時”を――。
大前元紀は来季の大ブレイクをにらむ。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2013/02/13 10:30

デュッセルドルフで“雌伏の時”を――。大前元紀は来季の大ブレイクをにらむ。<Number Web> photograph by AFLO

「毎試合出るつもりで普段からやっていますし、ベンチだったとしても試合に出るつもりでアップしていますから」と衰えぬ闘志を語る大前。

 1月からフォルトナ・デュッセルドルフに加入した大前元紀は、ここまで4試合を終えて2試合に途中出場したが、最近の2試合はベンチから試合を見守るだけだ。2月10日、出番のなかったフライブルク戦のあとにはこう話した。

「(試合に)出ても、出なくても、一喜一憂しないし。出なくても腐らずにやるだけ。また1週間後に試合があるので、そこにむけてやっていきます」

 果たして、彼はいま、どのような現状に置かれているのだろうか。

 今季から1部に昇格したデュッセルドルフは、昇格したばかりのチームとしては比較的安定した戦いを見せている。16位が入れ替え戦にまわり、17位と18位が自動降格というレギュレーションのなかで、21試合を終えた時点で16位になったのが1週間だけ。大半は13位から15位のあいだをさまよっている。だから、チームとして急に何かを変える必要にはかられていない。

 実際、選手の編成にたずさわるヴェルナーSD(スポーツディレクター)はこう話している。

「ゲンキは来季に向けての補強なのだ」

移籍後、半年間は次シーズンに活躍するための準備期間。

 一見、冷たい言い方にも見えるが、新加入選手としては悲観するべきことではない。チームに大きな変化をもたらしてくれることを期待されれば大きなプレッシャーがのしかかるし、試合に出れないだけで、あるいは試合に出たとしても一つのミスをしただけで、批判の対象となる。

 実際、最初の半年間を上手く活かしたことで、その後に活躍した選手も少なくない。

 例えば2011年1月にアウクスブルクに加入した細貝萌(レバークーゼンから1年半のレンタル移籍)の場合は、最初の半年間はドイツ2部で戦うチームの中でわずか7試合しか試合に出られなかったが、翌シーズンは1部で戦うチームの中で34試合中32試合に出場する絶対的なレギュラーとなった。

 あるいは2010年の7月にシャルケに加入した内田篤人はレギュラーポジションを獲得するまでに'10-'11シーズンの開幕から約2カ月を要したが、当時のマガト監督からはこう言われていたという。

「私がオファーしたように1月に加入してドイツのサッカーに慣れていれば、'10-'11シーズンの開幕からレギュラーになれる」

【次ページ】 「自分らしさを出していかないといけないなと思います」

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