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才能開花のクビトバに漂う、
本格派新女王の予感。
~女子テニス界の混迷に終止符を~ 

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秋山英宏

秋山英宏Hidehiro Akiyama

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photograph byHiromasa Mano

posted2011/11/28 06:00

才能開花のクビトバに漂う、本格派新女王の予感。~女子テニス界の混迷に終止符を~<Number Web> photograph by Hiromasa Mano

今季ウィンブルドンで2004年覇者シャラポワを破り、チェコ勢では1998年以来の四大大会制覇

 女子ツアーはシーズンを終え、'11年の最終ランキングではキャロライン・ウォズニアッキが2年連続の1位となることが確定した。今季は6大会で優勝。四大大会ではまだ優勝のない無冠の女王だが、キム・クライシュテルスに1週間、1位を譲っただけで、ほぼ1年間、トップの地位を守り通した。

 ただ、本当に注目すべきはランキング2位のペトラ・クビトバだ。ウィンブルドンを制した、チェコの21歳。182cmの大型パワーヒッターだ。開幕時は30位以下で、過去のツアー優勝は'09年の一度きりだったが、今季はウォズニアッキと並ぶ最多タイの6大会に優勝し、大きくランクを上げた。

 上位8選手で争うシーズン最終戦、10月末に開幕したWTA選手権も初出場で優勝。その翌週には、国別対抗戦フェド杯でもチェコを優勝に導いた。今季の開幕時には具体的な目標を立てず、「自分のテニスを向上させること」だけ見据えていた。ところが才能は開花し、たちまち満開となった。躍進の1年をクビトバは「ウィンブルドンで初優勝、最終戦でも優勝できて、2位になるなんて、まるで夢のよう」と振り返った。

来シーズンにもクビトバが“女王不在”の時代にピリオドを打つ!

 9月の東レ・パンパシフィックで、ウィンブルドン優勝者は、センターコートではなく小ぶりな1番コートで2試合を戦った。彼女のプレーを観察する好機と思い、コートサイドに陣取ると、ボールはうなりを上げて飛んできた。動きがもたつくのが弱点とされていたが、なかなかどうして。サーブとネットプレーも含め、その攻撃力には目を見張った。

 これは本物だ、と興奮したのもつかの間、準決勝では第1セット5-1と先行しながら逆転を許し、敗れた。次の北京の大会も初戦負けだった。ところがヨーロッパに戻ると、最終戦を含むツアー2大会連続優勝、12試合負け知らずと無敵の強さを見せつけた。東レで「集中力が持続しないのが課題」と話したように、大会ごと、あるいは1試合の中での波の大きさに問題を残すものの、潜在能力の大きさを疑う者はいないだろう。

 ここ数年、名実ともに女王と呼べる存在を欠いていた女子テニス界だが、来シーズンにもクビトバがその混迷にピリオドを打つにちがいない。本格派の新女王誕生の予感だ。

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