楽天に０―　２と完封負けをくらい、「いやあ、野球は難しい」とつぶやきながらロッカールームに引きあげてきた。

　昨年、１番打者として日本一に貢献。高い身体能力と独特のルックスで一躍人気者となった。今年から新庄の背番号「１」をつける。しかし、「後継者」とばかり言われるのは、あまり好きではなさそうだ。

　「同じことばかり聞かれると僕もおもしろくないし。新しい目でこれからのファイターズを見てください、という思いなんですよ」

　入団８年目でレギュラーをつかんだ苦労人。根はまじめな性格と言われている。プレーだけではなく、パフォーマンスも期待されるのは大変だろう。

──いつ考えるんですか？

　「ふと時間があいたときとか。でも、寝る前に考え出すとほんと眠れなくなっちゃう。結構考え込んじゃうんですよ。子供のころも学芸会で芝居とかをやるのはあんまり好きじゃなかったし」

──いままでの自信作は？

　「どうだろう……数少ないけど、やっぱりオールスターのときのピッコロ（漫画『ドラゴンボール』のキャラクター）にはみんなびっくりしたんじゃないんですか。僕だからこそできたことですからね」

──あれを超える新作は考えてますか？

　「まあ一応。でもピッコロはツーさん（新庄）のアイデアだったんで、やる前に『これやっちゃったらこの先どうすんですか？』って言ったんですよ。そしたらツーさんは『ここが大事だ。行け！』って。まあ、あれで注目されたからこそ今があるわけだから、感謝はしてますけどね」

──新庄さんに相談などは？

　「打てないときは『楽しんでやれよ』とか、たまに連絡してくれます。でもパフォーマンスのことは言われない。あとは自分でやれよ、ってことだと思います。だから、自分らしくできることをやっていくだけですよ」